# 6
読者の質問にバッジョが答えてくれるこのコーナー。
バッジョ自身もこのコーナーを楽しんでくれているようです。
思わずバッジョが微笑んでしまうような、
ユニークな質問を、どんどん送ってください!

インタビュー●高橋在 interview by Ari TAKAHASHI
写真●グエリン・スポルティーヴォ photo by GUERIN SPORTIVO
ユヴェントス戦でGKをかわして決めた
ゴールについて解説してください。

(山形県 芳沢伸吾さん)

まずはユヴェントス戦(第24節)の“魔法のボールタッチ”に関しての質問。ピルロからのパスを決めたわけだけど、あれは練習で繰り返しやったことなのかい、それとも、瞬間の“ひらめき”なのかな?

ロベルト・バッジョ(以下R) ―― 彼が縦パスを出して僕が相手DFの背後に抜け出るというパターンは練習でもやっているよ。でも、あのプレーは練習でやってきたのとは若干違うね。でも、決して偶然に生まれたプレーじゃなかった。

パスが君の足元に到達する前に、相手GKファン・デル・サールの動きを確認できたのかい?

R ―― 確認はしてたね。

横目で見たんだ?

R ―― ほんの瞬間のことだよ。ボールを見ると同時に、横目でGKのポジションを確認するんだ。でも、ボールが飛んできた時点ではボールを見ていたさ。GKを見ていたわけじゃない。だからGKが飛び出して来たのか、ゴールラインに残っているのかわからなかった。そこで、ボールをストップした瞬間に左の方向に持っていったんだ。そうすればボールを取られることはないからね。

ボールをストップしたというより、“移動”させたという感じなのかな?

R ―― そうだね。

あの時点で、ダイレクトボレーを打とうとは思わなかった?

R ―― ああ、それも考えたよ。ただ、それは難しいよ。さっきも言ったように、GKも見なくてはならないし、ボールも見なくてはならない。それに、走っているんだから……。やっぱり、ダイレクトボレーは難しかったと思うよ。ミスする公算も高かった。とんでもない方向に蹴る可能性だってあったし。

“フカす”可能性もあった?

R ―― そう、(ああいうゴールには)ちょっとした運も必要なんだ。最初のボールタッチが少しでもずれていたら、あんなゴールは生まれなかったはずさ。

ロベルト・バッジョ自身から見ても“ファインゴール”だったでしょう?

R ―― そうだね。最高のゴールだったよ。何といっても、瞬間的に生まれたゴールだったんだ。何度も練習を重ねたうえでのゴールではなかった。0コンマ何秒という時間で選択したうえで決めたゴールなんだから。

気に入ったわけだね。

R ―― そうさ。



得意な科目は何でしたか?
(長野県 室川亜希子さん)
好きな季節は?
(千葉県 安斉博さん)
今まで目にしたもので、
最も美しいと思ったものを教えてください。

(広島県 植田香美さん)
奥さんへのプレゼントで一番喜ばれたものは?
(神奈川県 田中仁美さん)
地球上からなくなって欲しいと思うものを
3つ挙げてください。

(福岡県 田中康作さん)

学校で得意な科目は何だったの?

R ―― 体育だった。

今までに目にしたもので、最も美しいと感じたものは?

R ―― 息子の誕生かな。分娩につき添ったんだ。
あの時目にしたものは、口では説明できないくらい美しいものだったよ。

好きな季節は?

R ―― すべての季節が好きだよ。だって、それぞれの季節に意味があり、美しさがあるだろう? すべての季節の良さを感じるべきだと思う。

これまで奥さんに贈ったものの中で最高のプレゼントは?

R ―― 妻への最高のプレゼント? 僕にはわからないな。妻に聞いたほうがいいんじゃないの。多分、今、彼女が心待ちしているものかな……新しい家だよ。

どこに建てるつもり?

R ―― 実家(カルドーニョ)の近くさ。

地球上からなくなればいいと思うものを3つ挙げて。

R ―― まずは苦しみだろうな。苦しみは人間を不幸にする。多くの人が苦しんでいるだろう? 苦しみがなくなること、これは多くの人の願っていることだよ。他には……まあ、苦しみがなくなれば、それでほとんど多くの悩みは消えるということだろうね。


イタリアでの“日本ブーム”について、
どう思いますか?

(東京都 加藤純江さん)

ポケモンは知ってる?

R ―― 知ってるさ。うちの子供たちが夢中で、参っちゃうよ。

今、イタリアはいわば日本ブーム。ポケモン以外にも、アニメの人気はすごいよね。それに最近、若者の間では漢字の入れ墨がはやっている。サッカー選手にも漢字の入れ墨をしている選手がいるでしょう?
日本や東洋文化のブームをどう思う?

R ―― みんな精神文化に魅かれているんだと思うな。精神文化と言うと、すぐに東洋を連想するからね。

ただ、今の風潮は単に“ファッション”という感じがするんだけど。

R ―― すべてはそれを行っている人次第じゃない? 僕が88年に仏教を信奉し始めた時、周囲の人は「しょせん、今だけだから。“流行”みたいなものだよ」と言っていたさ。でも、僕は今でも信仰を続けている。“流行”は消えてなくなるものだよ。でも、その価値が残ることだってあるんだ。

ということは、“ファッション”から入っても、人は真実を見出すことができる……?

R ―― 精神的なものには誰もが魅かれると思うんだ。中には、入れ墨で自己表現する者もいるし、他のことで自己主張する者もいる。すべて、精神性が根底にあると思う。


マンチーニの監督就任に関して
どう思いますか?

(北海道 有川智行さん)
自分が有名だというのはどんな気持ち
なんですか?。

(鳥取県 杉元聡さん)

ロベルト・マンチーニがフィオレンティーナの監督になったことをどう思う?

R ―― 正直言って、こんなに早く監督業を始めるとは思わなかったよ。だって、ついこの間現役を引退したばかりだからね。でも、頭もいいし、強い精神力もあるから、いい監督になると思うよ。

世界中で有名だというのはどんな感じなのかな?

R ―― みんなが僕のことを知っているというのは快感だよ。でも、大事なのは、みんながどのように自分を見ているかということさ。


僕は左足でしかボールを蹴れません。
右足でも蹴れるようにすべきなのでしょうか?

(東京都 尾上伊織さん)

高校でサッカーをやっている少年からの質問だよ。「僕は左足でしかボールを蹴れません。右足でも蹴れるようにすべきなのでしょうか?」だって。

R ―― もちろんだよ。大事なのは、日頃使わない部分を訓練することなんだ。だから、どちらの足も自然に使えるようにしなくては。そのためには練習以外にはない。特効薬はないんだ。

でも、片方の足しか使わない選手は結構いるよね?

R ―― いるさ。ただ、それは特別なケースだよ。日頃使わない部分も慣らしておくべきだと思うよ。思いどおりに動くようにしておくことは必要さ。


これまでの着たイタリア代表のユニフォームの
中でどれが一番お気に入りですか?

(東京都 戸田志穂子さん)

これまでいろいろなデザインのマーリア・アッズーラ(イタリア代表のシャツ)を着たと思うけど、最も気に入ったのは?

R ―― すべて好きだよ。身につけられれば(代表に入れれば)それで十分だよ。

色がアッズーロ(空色)ならばそれで十分だよね?

R ―― 大事なのはそれを身につけられるかどうかということさ。

じゃあ、君にとってこれまでで最低のPKは?
答えはもうわかっているけど(笑)。

R ―― もちろん、94年W杯のPKだよ。

例のPKだよね。

R ―― そうさ、あのPKだよ(笑)。