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| 第 8 回 〜 現在、そして未来へ 〜 (2/4) | ||
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フリーキックを蹴る者にとって問題は ただ一つ。壁が規定どおりの距離に あることはないということだよ 第20節のフィオレンティーナ戦の話に戻るけど、君は突如として“大爆発”した。復帰戦でいきなり2ゴールを決めたんだ。もっとも、最初のゴールは、お世辞にもファインゴールとは言えなかったけどね。相手DFの股の間にあるボールを後方から足先でつついたゴール……。 R ―― ラッキーだったよ(笑)。あの時、DFは手でボールに触れていたんだ。でも、レフェリーはPKの笛を吹かなかった。おかげでああいう状況になったのさ。ボールが流れてゴールの枠から外れていたらゴールを奪うのは難しくなっただろうけど、ラッキーなことにボールはDFの股の間に残ってくれたからゴールできたんだ。 あの時の君は素早かったね(笑)。 R ―― ボールだけを突けてよかったよ。DFの足を蹴っていたら、ボールと一緒にDFもゴールインしていただろうから(笑)。 いずれにしても、あれがバッジョの復活ゴールだったわけだね。 ケガ明け早々、しかも、シーズン初ゴールでもあった。 R ―― そうだね。僕にとっては大きなゴールだった。君が言うように、久しぶりのプレーでのゴールだったし、しかも、チームが下位に低迷していた時だったから、アウェーでの同点シュートはチームにとっても非常に貴重なものだったよ。 そして2本目のゴールはフリーキックからのものだった。 まさにバッジョのゴール、バッジョ風のゴールと言えるものだった。 どんな感じだった?
R ―― あのフリーキックは、壁がちょっと近すぎるような気がしたから、それほど強く蹴らなかったんだ。壁が近い場合、強く蹴るとボールが浮いてしまうからね。でも、あの時は風がずいぶんと強くて、うまく風に乗ったからか、ちょっと触れただけだったのにボールはすごいスピードで飛んでいったのさ。 トルドは全く反応できてなかったよ。 R ―― フリーキックを蹴る者にとって問題はただ一つ。壁が規定どおりの距離にあることはないということだよ。たとえ蹴る前に規定どおりの距離に壁があったとしても、蹴る瞬間に壁は必ず前に出てくるし、壁に入っている選手は軽くジャンプする。常にそのことを意識していれば、自ずから良い結果が出るものさ。 そして、ユーヴェ戦では最高のパフォーマンスを披露した。 あの“魔法のボールタッチ”のことを話してくれないかな。
いずれにしても、見事なゴールだったよ。君自身でもまんざらではなかっただろう? R ―― もちろんさ。特にあの頃は勝ち点に飢えていたからね。あの同点ゴールでの勝ち点1はチームにとっても貴重なものだった。あの時点で、チームが大きくなっていくような感じを受けたよ。自分たちのプレーに自信が持てるようになったんだ。自信を持てるかどうかということは、リーグ戦での成績に大きな影響を及ぼす。ブレッシャはいい戦いをしたと思っているよ。確信と平常心を持ってプレーすることにより、目の前にある壁を打ち破ったのさ。 一歩の踏み込みで強いシュートを打つ。 そして、それがDFに当たらない ようにする。すべては練習さ そして翌節のレッジーナ戦。君はPKを決めた以外にも、決定的なラストパスを2本出した。すべての新聞が8.5という高採点だったね。あのゲームは、君にとってはどんなゲームだったんだろうか? 昨シーズン最高のゲームと言えるのかな? R ―― チームとしても、あのゲームは勝たなくてはいけないゲームだった。(残留争いにおいての)直接対決だったからね。レッジーナはいいコンディションにあったけど、僕らも上り調子にあった。僕らは全員が集中してゲームに臨んだよ。どうしても勝ち点3がほしかったんだ。記憶に間違いがなければ、(ブレッシャのDFは)多分、一本も枠内へのシュートを許さなかったと思うな。そのことだけ見ても、ブレッシャがいかにいいゲームをしたか推測できるだろう? 君のPKに関しては?
R ―― あのPKがホームでの初ゴールだったんだ。そういう意味でも大きなゴールだった。それまでも(ホームで)ゴールチャンスは何回かあったんだけど、ポストに嫌われたりして、なかなかホームで得点できなかったんだ。だから、たとえPKでも、僕にとっては大きなゴールだったんだ。あのゴールでノドのつかえが取れたような気分になれたんだ。 続くヴェローナ戦では、フリーキックからゴールを決めた。強烈なシュートだったよ。まるでバティのゴールみたいだった。あのフリーキックを見た人は、「バッジョのコンディションは最高だし、以前に比べてパワーも増した」と思っただろうね。あの時はいつもと同じように蹴ったのかい? R ―― 最初は壁の上を目がけて蹴るつもりだったんだ。だが、助走を始めた時、壁の1人が急にポストのほうに向かったから、瞬間的に、壁の上を狙うのはやめてキーパーサイドに蹴ることにしたんだ。GKのフェロンは友だちだからよく知っているんだけど、彼にはキッカーがボールを蹴る瞬間に、ちょっとゴールの中央に動くクセがあるんだ。だから、あえてキーパー目がけて強く蹴ったんだよ。 それで、真ん中に一歩動いたキーパーは元のポジションに戻ることができなかったというわけだね。でも、本当に強烈なシュートだったよね。 R ―― そうだね。でも、あれも練習の成果なんだよ。助走が短くても強いシュートを打つには練習が必要なんだ。一歩の踏み込みで強いシュートを打つ。そして、それがDFに当たらないようにする。すべては練習さ。 いずれにしても34歳でこれだけのフィジカルコンディションを保てるというのはすごいよ。 R ―― あのシュートの前からコンディションはずっと良かったんだ。ゴールを積み重ねることによってどんどんプレーは良くなっていくものなんだ。もっとも、コンディションに限って言えば、ケガをした時期を除けば、常に良かったよ。ただ、コンディションがいいからといって、必ずゴールできるかといえば、そうじゃない。ゴールには別の側面があるものなんだ。 シーズンを通していいコンディションを保てたのは、開幕前に周到な準備をしたことも影響しているのかな? R ―― もちろん。だからこそ、シーズンが終わりに近づいた時も体調は万全だったんだ。 若い頃より今のほうが体調がいい、なんて思うこともあるんじゃない? R ―― 現在はいいコンディションにあるとだけ言っておこうかな。ブレッシャの環境、練習の環境、それにマッツォーネとの良好な関係、すべてがいい方向に向かっているということだろうね。練習中に、マッツォーネが「もうやめておけ」と言うこともあるくらい、昨シーズンはみっちりと練習したよ。僕は練習を途中で切り上げるのは嫌なんだ。頑固者なんだよ。そして、マッツォーネはそのことを知っているから、「ダメだよ。もう帰れよ!」と命令してくれる。さすがに監督の命令には従わないとね。おかげで、ほどよく休養できるというわけさ。 この年齢にして、このパワー。秘訣は何かな? R ―― あるとしたらただ一つ、練習さ。自分の体をいじめることだよ。自分を追い込むことが必要なんだ。僕は常にそうしてきた。ただ、決して楽なことではないよ。例えば、2カ月間、ちっぽけなグラウンドで1人で練習したさ。家族と毎日会えるという意味では大きな意味を持つことだけど、チームメイトと一緒に汗を流すことに慣れてしまった者にとって、たった1人で練習するのは楽なことではないよ。 |
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