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何の話から始めましょうか? デル・ネーリ(以下D) ―― まずは、今や私の立場が、他のビッグチームの監督の立場とそれほど変わらないものだということを言っておきたいね。例えばインテルのクーペル監督なんかとも、私は同等の立場にあるのだよ。どういうことかわかるかな?つまり、私は今やイタリアで一番重要なチームを作り上げているからね。イタリアで一番愛されているチームの監督なんだ。 一番愛されているのは、ユヴェントスでしょう? D ―― (持っていたボールペンでテーブルを叩きながら)いや、私たちだよ(笑)。つまりどういうことかと言うとね、ユーヴェのティフォージがユーヴェの次に応援しているチームはキエーヴォなのさ。インテルファンも同じ、インテルの次には我々キエーヴォを応援してくれている。ミラニスタだってミランの次はキエーヴォに好意を持っている。それに考えてみなよ、インテリスタがユーヴェを応援することがあるかい?ミラニスタがインテルに好意を持つことがあり得るかい?絶対にないだろう。そう考えると、キエーヴォだけが実にたくさんの人々から応援されていることになる。だから私の言ったことは正しいんだよ。キエーヴォは今、イタリアで最も愛されているチームなのさ。 なるほど、なかなか興味深いご意見ですね。 ただ、わずか100日前まではそうではなかったのではないですか? D ―― そのとおりだよ。100日前にはこんな状況は想像もできなかったな。これほど上位で戦えるとはね。それに、我々の考え方がこれほどまでにグラウンドで実践できるとは思わなかった。我々が理想とするサッカーは決して容易なものではない。それをこんなにも早く実践できるとは、正直言って考えてもみなかったね。 まさに今が最高の時と言えるのかもしれませんね。 ところで、開幕戦のフィオレンティーナ戦の前、あるいは先日のミラン戦(第13節)の後には、選手たちにどんな言葉をかけたのですか? D ―― フィオレンティーナ戦は、我々にとってセリエAデビュー戦でもあったわけだが、選手たちにはこう言ったよ。「フィレンツェには勝つために行くんだ。今までやってきたことに自信を持って行こう。自分たちが彼らより劣っているなんて絶対に考えるな」とね。その結果が2−0での勝利だった。サン・シーロでのミラン戦の後には、「よくやった。ただ負けたのはミスがあったからだ」と言ったね。 あれはキエーヴォのミスというより、チェーザリ主審の……。 D ―― いや、我々のミスだった。私は、プレーのことを言うしかないんだ。 しかしその後、チェーザリ主審の判定にミスがあったとして、彼には2試合の出場停止処分が科されましたよね。 D ―― 確かにね。ただ、それで勝敗が覆るわけではないだろう。それにあの処分はどうかと思ったがね。主審が自分の判断でジャッジをして、それが結果的にミスであったとしても、彼を出場停止処分にしていいものだろうか?私は賛成できないな。全く理解できない。 あなた自身は、チェーザリ氏はわざと間違えたとお思いですか? それともただ間違えた、それだけだと? D ―― あれは単なる間違いだよ。間違いのないサッカーなんてあり得ないだろう?完璧なサッカーなんてないんだ。 では、あなたの理想とするサッカーは、どんなものですか? D ―― 調和のあるサッカー。 今までどれくらい無駄なポイントを失ったとお考えですか? D ―― 6−7点だね。 ユーヴェ戦、ミラン戦、それにヴェローナ戦。 いずれも変な負け方をしただろう? もしカルチョの世界に見えない力が働いているとしたら、あなたはその力からどのように身を守るつもりですか?ピッチ上で対抗するのか、それともピッチ外(言葉)で抗議するのか? D ―― もちろんピッチ上でだよ。サン・シーロでは、実際に我々が取られても仕方のなかった得点は1点だけ。だが、結局はなぜか3点も取られていた。 この100日の間に、セリエAでどんなことを学びましたか? D ―― 自分が以前と変わっていないということがわかったね。物事を正確に行うこと、それから理想を信じ、練習を信じる者がチームにいることが不可欠だということかな。 キエーヴォ・ヴェローナは本物でしょうか? それともこの勢いは一過性のものなのでしょうか? D ―― 我々は、“疑念”を裏切る“意外な存在”なんだ。 シーズン前には疑問視ばかりでなく、“からかい”もあったような気がしますが。 D ―― 私はそうは思わない。とにかく今は、我々のことを嫌いなファンよりも好意を持ってくれているファンのほうが多いように思うね。ただ私は、笑いながら「キエーヴォはいいね。かわいいチームだよ。よく頑張っているね」なんて言われるのはあまり好きじゃないんだ。ちゃんとした一つのチームとして尊重してもらいたいんだよ。 それにしても、今のキエーヴォは他チームにとっては厄介な存在ですよね。 D ―― 大金を払って補強をしたチームが、ほとんどお金を使わない我々に負ける。そういう意味で我々は厄介な存在であるだろうね。実際、我々は、補強にほとんどお金をかけていないんだよ。
嫌な思いをしたことはありましたか? ヴェローナ・ダービー後、大喜びしたエラス・ヴェローナのマレザーニ監督にとか、あるいはユーヴェ戦やミラン戦であった疑惑のPKとか……。 D ―― 私が?そうだな。誰かがキエーヴォに対する期待を裏切られてガッカリするのを見るのが嫌だね。みんな我々のセリエAでの躍進ぶりや、現在の順位を一時的なものだと考えているだろう。でもまだまだ我々の冒険は終わらないよ。他のチームには悪いけれどもね。 セリエAで戦ってみて、どんなことを発見しましたか? D ―― “意外な存在”に対するリアクションは、思ったより大きかったね。私もシーズン前は今の状況をはっきりと予測できなかった。でも少しは「こうなることもあり得る」と考えていたよ。今や我々は、社会的にも重要な存在になりつつある。なぜなら、我々こそが一つの“試金石”になりつつあるからだよ。みんなに「僕だってやれるんだ」という勇気を与える存在にね。キエーヴォは、町ですらなく、ヴェローナ市の本当に小さな一地区にすぎない。その地区のチームが、今イタリアで一番いいサッカーをしているわけだからね。 今あなたは「イタリアで一番いいサッカーをしている」と言いましたね。 D ―― 私じゃないよ。言っているのは君たちだろう。 それが、この100日間の中で私が一番誇りに思ったことだよ。 というと? D ―― サッカーに関わる人たちみんながこう言っている。 「キエーヴォが今イタリアで一番いいサッカーをしている」とね。 デル・ネーリもまたそう言っている。 D ―― 私は言っていないよ(笑)。 あなたは、我々ジャーナリストには決してそうは言わない。 それは、うぬぼれていると思われたくないからでしょう? D ―― 私は、君たちにも選手たちにもそんなことは言わない。なぜなら我々は、もっと学んでさらにうまくなるチームだからだよ。 今シーズン最も気に入った試合というと? D ―― コラーディのゴールで、1−0で勝った第8節のパルマ戦。 一番“気に入らなかった”のは? D ―― ヴェネツィアとの試合。あの試合は、戦術面もメンタル面もなってなかった。だから私はハーフタイムに怒ったんだ。選手たちから全然、“勝ちたい”という気持ちが伝わってこなかったからね。同様にサン・シーロでのミラン戦、それからブレッシャ戦でも怒ったな。 できることならもう一度やり直したいと思っているゲームは? D ―― ユヴェントス戦。 どんな結末になると思いますか? D ―― きっと、前回とは全く違ったものになるだろうね。今のキエーヴォはあの時とは違う。今は、より周到で大人のチームになったと思うからね。 勝ち過ぎることで好感を得ましたか? それとも周囲からは嫌味な存在になりましたか? D ―― この100日間に限っては、好感を呼んだと言えるかな。ただ明日はどうなるかわからない。だからこう言っておこう。“フィフティー・フィフティー”だと。しかし、どうしても勝ちたい相手には“意地悪”になりたいと思っている。つまり“ビッグ”と呼ばれる5、6チームには、“感じのいいヤツ”ではダメだろうと思うんだよ。
D ―― 選手たちにはクールであってほしいね。決して驕ることなどないように。もしそうなりそうな時には、私がきちんと“絞める”つもりだよ。 あなた自身は自信満々なのでは? D ―― 私もチームも、これで満足だと思ったことはまだ1度もないね。実は私が監督としての自信を掴んだのは、エンポリの監督を解任されてブラブラしていた時なんだ(98−99年シーズン)。その時初めて、長期的な見方ができる自分を認識できたんだよ。現場を離れる決断は難しいが、それなりの成果もあるんだ。今後も、もしその必要があればそうするつもりだよ。 難しい質問かもしれませんが、ずっと首位に居続けるのがいいですか? それとも最後まで他のチームのすぐ後ろに隠れてついていくほうがいいですか? D ―― そりゃあ首位だよ。トップがいいに決まっているだろう。もちろん、下に落ちていくこともあるだろうけど。 でも、もしあと100日後もキエーヴォが現在のような戦いを続けられれば、さすがにもうB降格の心配はなくなるでしょうね。 D ―― そうだね。もしそうなったら、さすがにA残留は決まりだろう。あくまでそれが、今シーズンの第一目標だよ。その後は自分たちがどこまでやれるのか、やってみるだけさ。 監督は選手たちにどんなことを教えたのですか? D ―― 謙虚さと現実感覚を持つこと。自分たちのやっていることに自信を持つということ。プレーする全員がしっかりとこのことを理解してピッチに上がれば、どんな相手が来たって怖くないんだ。 |
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