インタビュー・文●マッテオ・ダッラ・ヴィーテ Interview and text by Matteo DALLA VITE
写真●グエリン・スポルティーヴォ Photo by GUERIN SPORTIVO
セリエAデビューから100日が経過した。今ではおちおち人前でパニーノも食べられない。

「2、3週間前だったかな。高速道路を走っていて小腹が空いたんで、何かつまもうと最寄りのサービスエリアに入ったんだ。車を停めてカギを閉め、バールに入ってパニーノを1つ注文した。ここまでは、いつもと全く変わらない。でもそこからが違ったんだよ。レジでお金を払って、店員に『ありがとう』を言ってパニーノを食べ始めた私の周りに、10人くらいの人だかりができたのさ。みんなから挨拶されたり、握手やサインを求められたりで大変だったよ。あんな事は生まれて初めてだったな」

それだけではない。「いつだったか道を歩いていたら、少し前に私の横を通り過ぎていった車が、かなりの渋滞だったのにもかかわらずバックしてくるんだ。そしてその車のウインドーが開いて、知らない人に挨拶されたよ。道路はちょっとしたパニックになっていたな(笑)。私は今、そんな素晴らしい世界に生きている。もちろん、私自身は何も変わっていないけれどね。ただパニーノを隠れて食べることになっただけさ(笑)。世の中とは不思議なものだよ。不思議なだけでなく、素晴らしいものでもあるがね」。

ルイ−ジ・デル・ネーリは、1950年生まれの51歳。昨シーズン、セリエBでキエーヴォ・ヴェローナを率い、リーグ戦を3位で終了。チームを、創設以来初めてとなるセリエA昇格に導いた。彼自身もセリエAでの采配は、今シーズンが初めてだ。

「デビューしてから100日が過ぎた。本当にあっという間だったよ。ただ、この100日で多くの事が変わったことは確かだね。もちろん私の生活も大きく変わった。責任や注目度もそうだけど、増えたのは何と言っても我々をとりまく君たちマスコミの数だよ。もちろん、いい意味で言っているんだがね。私はいつでも君たちに対してオープンさ。質問は日に日に増えていくけれど、今じゃそれが当たり前のことになっているんだ」

私が招かれたのは監督室であった。書類の積まれた大きな机。柔らかそうな背もたれのついたビロード張りの椅子。手にボールペンを持ちながら、デル・ネーリは、彼とキエーヴォの熱い100日間について語り始めた。
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