今シーズンのパルマには大きな見込み違いが多々あった。ナカタの不調もその一つと数えられるだろう。だがそれ以上に、ナカタのパスをゴールに結びつけるFWがいなかった。これが不振の大きな原因だと言える。確かにマルコ・ディ・ヴァイオは大きな成長を遂げている。リーグ戦前半の17試合で12ゴールを挙げた彼は、フブナー(ピアチェンツァ)と並んで得点王争いのトップに立った。だからといって、ディ・ヴァイオがチームの勝敗を決定づける貴重なゴールを量産したかというと……。むしろ、大事な局面でゴールを奪えなかったという印象のほうが強い。問題は、ディ・ヴァイオ個人だけにあるのではなく、彼と2トップを組むFWの不振にあったのだ。ミロシェヴィッチにしても、エムボマにしても、活躍した試合は1試合もなかったと言っていいだろう。
パルマには、中央でポストプレーのできる選手がいなかったのである。重量感があり、ヘディングが強く、相手のペナルティエリア内で仕事ができるFWが必要だったのだ。クリスマス直前にパルマのテクニカル・ディレクターに就任したアリーゴ・サッキは、まずはじめにセンターフォワードの獲得を要求したという。そして、彼の眼鏡にかなったFWはミラノにいた。祖国トルコでは数々のタイトルを獲得し、“英雄”と謳われているものの、イタリアではピッチにすら立たせてもらえない男がインテルにいたのである。
ハカン・シュクルは、トルコ・リーグで、96−97シーズンに38ゴール、97−98シーズンに32ゴールを挙げて、2シーズン連続で得点王に輝いている。だが、イタリア・セリエAでは未だに輝きを放っていない。初めてイタリアでプレーしたトリノでも、そして昨シーズンから所属したインテルでも、真の実力を発揮することはできなかった。そんなハカンが、イタリアで3番目のチームとして選択したのが、今シーズン不振にあえぐパルマだったのである。 |