インタビュー・文●マッテオ・マラーニ Interview and text by Matteo MARANI
写真●グエリン・スポルティーヴォ Photo by GUERIN SPORTIVO
もし、あなたが奇跡を見たいのなら、ルルドの泉ではなく、私はキエーヴォに行くことを勧めたい。今のキエーヴォには奇跡を演じてくれる選手が、数多くいるからだ。もはや肌の色で外国人に間違えられる心配がなくなったマンフレディーニをはじめ、20歳の選手と見間違うほどに俊敏な動きを見せる31歳のコリーニがいる。さらに忘れてはならない存在が、以前までの放蕩生活が嘘のようにサッカーに集中しているダ・コンセイソン・シルヴァ・エリベルトだ。

実際、インタビューのためにヴェローナの旧市街のバールでエリベルトと待ち合わせた私は、奇跡とも思えるような光景を目の当たりにした。何とあのエリベルトが待ち合わせ時刻の10分前に姿を現したのである。これは何かの間違いだろうか?そんな私の質問にエリベルトはこう答えてくれた。「間違いなもんか。“あの事件”以来、僕は本当に真面目になったんだから」。

知らない方のために、彼の言う“あの事件”のことを振り返りたい。エリベルトはボローニャ時代、人気ディスコのカパンニーナで楽しんだ後、帰る途中で環状道路を逆走し事故を起こしたあげく、カラビニエーリ(憲兵)に捕まってしまったのだ。

「あの事件の後、グイドリン監督は僕を『明日にでもブラジルに帰す!』と言ってカンカンに怒っていた。それからGMのチンクイーニも狂ったように怒り、叫んでたかな。それでも、彼だけはきっと僕を助けてくれるんじゃないかと思っていたけどね。そして実際、そのとおりになった。なぜなら、僕とキエーヴォを巡り合わせてくれたのは、他ならぬ彼だからね。“あの夜”の出来事以来、僕は心を入れ替えた。『これからはプロサッカー選手という立場に相応しい行動をとろう』とね。そう心に誓ったのさ」

“あの夜”の事件により、エリベルトは免停になった。しかし免許は取り直せばいい。それよりも大変だったのは、自分についてしまった悪いイメージを払拭することだった。事実その後、彼は一度周囲に与えた悪い印象を覆すことができず、これといった活躍や成績も残せないまま、ボローニャを解雇されてしまったのである。

しかし、彼は戻ってきた。今シーズンの第19節、エリベルトは再びボローニャのホームスタジアム、レナート・ダッラーラに、キエーヴォの選手として戻ってきたのだ。2年ぶりに帰ってきた彼は、もはやかつてのような問題児ではなく、セリエAで最も注目を集める右サイドのMFに変貌を遂げていた。そしてキエーヴォ躍進の原動力となったエリベルトは、ブラジル代表入りの噂まで囁かれるほどの存在になったのである。

エリベルトは決して笑顔を絶やさない。いつも太陽のように明るい笑みを振りまいている。彼の笑顔を見ていると、ふとこう思う。「もしかして人生はやり直しがきくのか」と……。
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