私自身に自分の後継者を
選べというなら、
迷わずモンテッラを指名するよ

 

あなた方82年の英雄たちは、自分たちの快挙を誇示しないようなところがあると思うのですが、それはどうしてなのですか?

パオロ・ロッシ(以下R) ―― たぶん、我々自身が、あの快挙をまだ信じられないからだと思う。 あの大会が始まる前、我々の能力を評価している人は少なかった。 自分たちも、優勝できるなんて思っていなかったしね。 あの時の我々は、魔法にかかっていたような気がするんだ。 チーム全体に不思議な力が乗り移っていたというのかな。 だから、勝利の方程式を説明しろと言われても答えようがないのさ。 

現代表の首脳陣があなたの話を聞きたいと言ってきたら、どうしますか?
例えば、トラップが言ってきたら?


R ―― トラップはそんなものを必要としていないよ。 彼は私がユヴェントスでプレーしていた時の監督だったからよく知っているが、彼は「勝利に魔法が必要だ」とは思っていないはずだよ。 それに今のチームだったら、魔法なんて必要ないだろう。 強いチームに仕上がっていると思うし、“ツキ”さえあれば、すべてが可能だと思っているよ。 問題は、“ある種のプレッシャー”からいかに選手を解放するかということだけさ。 

“ある種のプレッシャー”とは?

R ―― 82年の時のチームと比較されることさ。 我々の成功が、ある意味、後々のアッズーリにプレッシャーをかけ続けてきたんだ。 あの時のチームが、常に後輩たちの目標にされてきた。 何かというと我々が引き合いに出されるんだ。 我々と比較することでチーム力を測る習慣が生まれてしまったのさ。 優勝した時のチームと比較されるのは選手にとってツライことだよ。 本当はそんなもの、どうでもいいことなんだ。 過去の何かと比較しても、意味のないことなんだよ。 

サッカー自体もかなり変化しましたしね。 でも、サッカーの本質は不変でしょう?

R ―― そうだよ。 サッカーの本質は“プレー”であり、“ゴール”なんだ。 

まさにあなたの言うとおりですよ。 
では、数多くのゴールを生み出したパオロ・ロッシが今のアッズーリに後継者を見出すとしたら、それは誰になるのでしょうか?

R ―― モンテッラだね。 彼は近代サッカーの申し子とも言うべきストライカーだ。 ある意味では、私の現役時代に似たフォワードだと言えるよ。 ゴールに向かう姿が特に似ていると思う。 余計なことをせずにシンプルにゴールを狙うところが、私とそっくりなんだ。 サッカー自体がかなり変わった今、モンテッラのほうが私より上だと言っても差し支えない。 

モンテッラのどんな点があなたより上だと言うのですか?

R ―― テクニックもそうだし、得点能力という点でも彼のほうが優れていると思っている。 この3、4年、実にコンスタントにゴールを決めているだろう?それにどんな体勢からも、どんなアングルからでもゴールを決めることができる。 イタリアで最高のゴールゲッターと言えるだろうね。 

ヴィエリよりも優れていると?

R ―― ヴィエリとはタイプが違うから、比較はできないよ。 ただ、ヴィエリとモンテッラなら2トップとして最高に機能するだろう。 このところのヴィエリもすごいからね。 まさに、円熟の境地に達したという感じがするな。 モンテッラは言わば導火線で、ヴィエリが爆弾だよ。 そして、トッティが理想的な“マッチ”、火つけ役というところだね。 このイタリアの攻撃陣は、相手にとって脅威になるはずだ。 

「インザーギがロッシの後継者だ」と言われていた時期もありましたよね?

R ―― そうだね。 “ゴールを掠め取る”という点では、確かに私とインザーギは似ている。 ただ、私自身に自分の後継者を選べというなら、迷わずモンテッラを指名するよ。 
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