クラブ側は、
サッカーがプレーするものであり、
スポーツであることを
再認識すべきだろうね

W杯でのアッズーリには、今まさに、君が指摘したことが当てはまる。アッズーリは“サッカー”をしなかった。ただ“ぼやく”だけ。ベンチ内でのトラパットーニの苛立ちようはすごかったよね?

Z ―― 僕はトラップを尊敬している。だから、彼を批判したくないよ。それに、優勝候補で早々と姿を消したのはイタリアだけじゃない。確かに、他のチームに比べてショッキングな敗退だったのは間違いないけど、でも、ただそれだけのことだよ。

モレーノ(韓国戦のレフェリー)だけのせいではないと言いたいのかい?

Z ―― モレーノのジャッジがイタリアを窮地に追い込んだのは確かだと思う。ただし、すべての責任をモレーノに押しつけるのではなく、アッズーリの何が機能しなかったのかを分析するほうが大事だと思うね。

何が機能しなかったと思っている?

Z ―― 代表チームというのは、その国のリーグ戦を反映するものなんだ。セリエAのチームは良いサッカーをしていない。選手は観客を楽しませていないし、自分たち自身もプレーを楽しんでいないように見えることさえある。当然、トラップのアッズーリもリーグ戦のプレーを映し出したと言うべきだろうね。


具体的にイタリアのクラブの何がいけないんだろう?

Z ―― 僕は、ビッグクラブにこう言いたいな。『企業意識を捨てるべきだ』ってね。サッカーは産業ではないんだ。金ではないんだよ。クラブ側は、サッカーがプレーするものであり、スポーツであることを再確認すべきだろうね。もちろん、イングランドのクラブが“金”を意識していないなんて言ったらウソになる。選手の人気を最大限に活かしているし、いろんな方法でファンの懐から“金”を引き出そうとしているからね。でも、“与える”ことも忘れていない。“ショー”が最大の商品であることを全員が意識しているんだ。イングランドでは、誰もが観客に楽しみを与えることが大切だと考えているんだよ。

つまり君は、イングランドではサッカー選手とサッカー自体が守られていると言いたいんだね?

「ベッカムほどプロ意識を持った男はいないと思う。彼ほどゲーム前の準備に気を配る選手はいないよ」
Z ―― 僕らは単なる従業員ではない。僕らには適度なテンションが必要なんだ。例えば、4年に1度オリンピックが行われるよね? それに向かって練習するような適度なテンションやモティベーションが必要なんだよ。恐怖感を抱いてプレーするということではない。周囲のプレッシャーがチームを強くするというなら、チームバスに石を投げつければいいだろう。でも、それで勝てるわけではないんだよ。僕らはプロさ。石を投げつけられなくても、確かなモティベーションさえあれば、勝つためにプレーするんだ。

でも、イングランドでもタブロイド紙が“石を投げつけて”、選手の平穏な生活を乱しているよね?

Z ―― 確かに君の言うとおりだよ。ベッカムなんて芸能人扱いさ。でも、彼ほどプロ意識を持った男はいないと思う。彼ほどゲーム前の準備に気を配る選手はいないよ。彼は常に高いモティベーションを持ち続けている、正真正銘のプロだよ。
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