インタビュー・文●ルイージ・ロニョーニ Interview and text by Luigi ROGNONI
写真●マウリツィオ・ボルサーリ Photo by Maurizio BORSARI
 とてつもなく大きな出来事が、一瞬のうちに連続して起こった。パオロ・マルディーニの代表辞退に伴い、ジョヴァンニ・トラパットーニからアッズーリのキャプテンに指名されたファビオ・カンナヴァーロは、その数日後に、急きょインテルへ移籍することになったのだ。これは誰も予想だにしなかった、衝撃的な出来事だった。

 カンナヴァーロの移籍金は1100万ユーロ(約12億8000万円)、市場評価額と比べれば“格安”である。もっとも、カンナヴァーロにとっては、ビッグクラブでプレーするという希望がかない、それにより、念願のスクデットを手にする可能性が高まったのだから、これは最良の結果だったと言えるのかもしれない。

 W杯から始まって、カルチョメルカートに至るまで彼の動向は常に新聞の一面を賑わせてきた。カンナヴァーロは、今夏のカルチョメルカートで最も求愛された選手の一人だったのだ。しかし、周囲がカンナヴァーロをもてはやしても、彼は舞い上がることなく、常に自分自身を冷静に見つめていた。9月で29歳となったカンナヴァーロは、サッカー選手として円熟の域に達している。彼が目標としているものは、未だかつて手にしたことのないビッグタイトル、すなわち、スクデットとチャンピオンズリーグの制覇である。これは、彼が7シーズンプレーしたパルマでは、手の届かなかった夢でもある。パルマは彼のステップボードとなった。だが7シーズンの間、ついにビッグタイトルに恵まれることはなかった。カンナヴァーロはインテルに移籍したことで、夢の実現に一歩踏み出したのである。

 チャンピオンズリーグのローゼンボリ戦を数時間後に控えたカンナヴァーロと、ノルウェーのトロンハイムのホテルロビーで対面した。雨の降りしきる寒い午後。ヨーロッパ北限の地は、すでに冬の到来を知らせていた。だが、ファビオ・カンナヴァーロの澄んだ瞳と清らかな心は、会話を“温める”に十分だった。彼は『CALCIO 2002』の読者に向かって話し始めた。
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