| 彼の辞書に“タブー”という言葉は存在しない。彼は、多くの監督が口にできないことを遠慮なく語る。バッジョを非難し、カラーロ(イタリアサッカー連盟会長)やガッリアーニ(レーガ・カルチョ会長)への不満をも吐き出すズデネク・ゼマンにかかれば、イタリア政府でさえ批判の対象になる。ゼマンは言う。「イタリアはこれまでカルチョの恩恵を受けてきた。だから、不況にあえぐカルチョに手を差し伸べるべきなんだ」。 |
カルチョの浄化のために
私が発言してきたことは、
間違っていなかったと信じている |
ローマでは、あなたがセリエBの監督に甘んじている原因は、あなたが“雄弁”すぎるからだと言われているようですね。
ゼマン(以下Z) ―― それは事実とは違うな。サレルノに残るのは自分自身の選択だったんだ。昨シーズンはサレルノの町とアリベルティ会長にセリエA昇格をプレゼントするつもりだったが、思うような成績が残せなかった。私は頑固者なんだ。そう、今シーズンこそ目的を達成したいんだよ。「他に職場が見当たらないからサレルノに残った」と言っている人もいるようだが、単に事実を理解していないだけだ。とにかく、セリエAのクラブからもオファーがあった、ということだけは伝えておこう。
あなたは“カルチョの浄化”のために戦いを挑んできました。
結果として、それがあなたをセリエBに追いやっているとは思いませんか?
Z ―― いや、そうは思っていない。カルチョの浄化のために私が発言してきたことは、間違っていなかったと信じているし、事実、今もいかがわしい行為に走っている人がいることを危惧しているんだよ。
あなたの“ドーピング告発”からすでに4年が経過しました。
Z ―― なぜ、ドーピングのことばかり聞くのかね。ドーピング以外のことに関してもずいぶん言及したはずだが……例えば、クラブの財政に対しても言ったつもりだよ。だが、誰も私の言葉に興味を示さなかった。あの時、私の言葉に少し耳を傾けていれば、カルチョの世界がこれほどの経済危機に陥ることはなかったと思う。
サッカーの世界で、敵と味方、どちらが多いと思っていますか?
Z ―― 味方のほうが多いと思っているよ。しかし、カルチョの世界はとてつもなく広い。まず、選手がいて、ファンがいて、マッサーがいて……様々な職種の人がこの世界で働いている。クラブフロントという職種だけに限れば、私の人気はかなり落ちるだろうし、敵が多いと言えるかもしれないな。
あなたは敵を必要としている。そんな風に思うこともあります。
あなたのエネルギーは敵と戦うことによって高まる、という印象を受けるんですよ。
Z ―― カルチョの世界では“沈黙は金”では決してない。沈黙しているとすべてが悪化していくんだ。それに、私はこれまで多くの発言をしてきたが、自分の“私益”のために発言したことは一度もない。常に人々の利益になることを言ってきたつもりだ。人々の利益にならないことには口を閉じる主義なんだよ。 |
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