98年11月9日、フリウリ・スタジアムで行われたウディネーゼ戦において、デル・ ピエロは右膝の十字じん帯を損傷、「目の前の世界が崩れ落ちていく」ほどのダメージを負った。長いリハビリを経てピッチへの復帰を果たし、再びユヴェントスの中心選手として活躍、昨シーズンは97−98シーズン以来のスクデットを獲得したものの、依然として「まだ完全復活とは言えない」という厳しい評価もついて回っていた。
インタビュー・文●岩本義弘(本誌編集長)
Interview and text by Yoshihiro IWAMOTO
写真●兼子愼一郎、サルヴァトーレ・ジーリオ
Photo by Shin-ichiro KANEKO/Salvatore GIGLIO
 しかし今シーズン、ついに“あの”デル・ピエロが帰ってきた。昨年6月に味わった悔しさを胸に臨んだ今シーズン、デル・ピエロはかつてないほど“勝負強い”姿を見せつけ、スクデットとチャンピオンズリーグの2冠に向けてチームを牽引しているのだ。特筆すべきはその得点力である。リーグ戦では前半17節を終えて16試合出場11得点、チャンピオンズリーグでも7試合出場4得点と、過去最高のペースでゴールを量産。このペースが続けば、97−98シーズンに記録した32試合出場21ゴールというリーグ戦における自己記録はもちろん、初の得点王さえ夢ではない。

 日韓W杯を直後に控えた2002年5月、デル・ピエロは98年W杯、EURO2000でつけていたアッズーリの10番をトッティに譲った。だが、ロベルト・バッジョから引き継いだユーヴェの10番まで譲るわけにはいかない。背番号10とエースとしてのプライドを守るために、デル・ピエロは戦い続ける。
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