| |
![]() |
| インタビュー・文●マッテオ・グランディ Interview and text by Matteo GRANDI 写真●兼子愼一郎、グエリン・スポルティーヴォ Photo by Shin-ichiro KANEKO/GUERIN SPORTIVO |
| 非常に小柄である。彼の身長は168cmしかない。だが、彼には身体のハンディを補うだけの素早い動きがある。小柄な身体を利用したスピード、それこそ彼の最大の武器なのだ。今シーズン、にわかに頭角を現したファブリツィオ・ミッコリを前に、「未来のカルチョを担う逸材だ」と興奮する人も少なくない。中には、マラドーナやロマリオと比較対照する者までいる。だが、彼自身は、自分はファブリツィオ・ミッコリにすぎないと強調する。彼の言葉に従えば、「彼らと似ているのは小柄な身体だけ」なのだ。 ファブリツィオ・ミッコリは、数年前のナカタのように、ペルージャのファンタジスタとしてイタリア中の注目を集めている。しかし、この小さなファンタジスタはペルージャが所有する選手ではない。実は彼の所有権を持つのはユヴェントスであり、そのユヴェントスが1年間という条件つきでミッコリをペルージャに貸し出しているだけなのである。ユーヴェには、デル・ピエロとのポジション争いをさせるより、1年間、プロヴィンチャで熟成させたほうがいいという意図があったに違いない。しかし、昨シーズンまでセリエBのテルナーナでプレーしていたミッコリは、このわずか数カ月の間で、ユーヴェ側の期待を上回るほどの目覚ましい成長を遂げた。ユーヴェの首脳陣も「できればすぐにでもミッコリを返してほしい」と焦っているはずである。ミッコリを一日も早く使いたいと思っているのは、何もリッピ監督だけではない。代表監督のジョヴァンニ・トラパットーニもまた、ミッコリのプレーに熱い視線を送っているのだ。すなわち、今すぐミッコリがマーリア・アッズーラを身につけたとしても、何の不思議もないのである。 カルチョの世界では、背番号10の伝統的意義が失われているかのような印象を受ける。背番号が何かを語りかけるという時代は、すでに過ぎ去ってしまったのだろうか。だが、それでもなお、10番にノスタルジーを感じる人は少なくない。少なくとも、このミッコリという小さなファンタジスタにとっては、背番号10の意義は大きいままのようである。 |
| 1 / 5 |