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今シーズン、“ルイ・コスタ復活”の背景には、何があったんだろう? ルイ・コスタ(以下R) ― 監督が信頼してくれるということと、健康な身体でいられたということかな。昨シーズンも特に自信を失うということはなかったけど、なぜだか何一つとしてうまくいかなかった。リーグ戦の初戦で腕の骨を折ったのがすべての始まりだったね。あのケガでピッチを離れて、身体を作り直して2カ月後にピッチに戻ったら、今度は足首の故障。クリスマス休暇までは3試合連続してプレーしたことがなかった。コンディションは悪くなかったんだけど、そのまま6月まで出たり入ったりして、月日だけが経過したという感じだったな。ひょっとするとW杯だけはうまくいくんじゃないかなんて考えたけど、甘かったよ。とにかく、ひどい1年だった。サッカー人生で最悪の1年だった。ミラノでのたった6カ月の間に、フィレンツェで過ごした7年間を上回るほど、ケガで試合を欠場したんだからね。 ミランは君を放出しようとしたと言われているが、それは本当だったの? R ― チームは僕に何も言わなかったけど、その気持ちはあったはずだよ。ただ、マスコミの作り話だとも思ったけどね。僕自身、ミラノの新聞記者とはあまりうまくいっていなかったから。インタビューにしたって、あまり受けつけなかっただろう? だから記者も「ルイ・コスタはイングランドに行くべきだ」なんて書き方をしたんだと思うんだ。イングランドと言っても、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーなんかじゃなくて、ディヴィジョン1のチームが挙げられていた。失礼な話だよ。 君はジェントルマンだと思うんだけど、なぜミラノで敵を作っていたのだろうか? R ― ミラノのジャーナリストは、ミラノで仕事をしていることに特別な意識を持っているように思える。彼らは自分たちが愛するミランというチームについて、新聞に記事を書いているという自尊心があるのさ。おそらく彼らは、フィレンツェとフィオレンティーナを愛する男を許せないんじゃないかな。ただ、僕はサッカー人生の大半をヴィオラのシャツを着て過ごしてきたし、そんな僕をフィレンツェの町とフィレンツェ市民は、“養子”として認めてくれた。僕と僕の家族はフィレンツェで快適に過ごしてきたんだ。それなのに、なぜチームを変えただけでフィレンツェに背を向けなくてはならないんだろう? 僕は新しいファンとももちろん仲良くするつもりだよ。でも「今までのファンと縁を切れ」と言われてもそれはできないよ。 ハートの感じられないサッカーは非難される。だが、ハートの中身が非難されることもある、ということかな。 R ― そういう記者もいたということだよ。ミラノの記者全員がそうだったわけじゃない。それに最近は、いい関係になってきたと思う。「今のルイ・コスタは良いプレーでミランの勝利に貢献している。ヴィオラでの過去はもはや問題ではない」ということさ。
R ― 愛するチームがあんな風に滑り落ちていくのを見るのは、本当につらかった。これはすべて、クラブ経営に携わる人間の責任だよ。ファンのことを考えると悲しくなる。 チェッキ・ゴーリが悪いと言いたいんだね? R ― チェッキ・ゴーリもつらいだろうね。彼とは良い時も悪い時も共に過ごした。確かに、彼には大きな責任がある。だけど、あんな形で終わるとはね……。 ミランの話に戻ろう。今のミランのサッカーは、ファンに愛されているよね。君も気に入っているんだろう? R ― とても気に入っているよ。アンチェロッティはミランのサッカースタイルを完全に変えた。いや、イタリアサッカーの全体的な傾向に従ったと言うべきかな。攻撃的サッカーを前面に押し出すサッカーは、僕にとってはありがたいことだよ。チームが攻撃的になればなるほど、僕の出番も増えるからね。昨シーズンは、アンチェロッティも「ルイ・コスタとピルロの共存はあり得ない」と言っていたけど、今シーズンはほとんどのゲームで一緒にプレーしている。その上、セードルフやリヴァウドも同じピッチ上にいるんだから信じられないよ。これはアンチェロッティ個人の“革命”とも言えるだろうね。 アンチェロッティの革命の成果は随所に表れている。チャンピオンズリーグでの躍進もそうだし、リーグの前半戦でミランが好成績を出すのも久しぶりだよね。99年のスクデットの時ですら、クリスマス休暇前に首位に立ってはいなかった。 R ― 今のミランは、勝つために作られたチームなんだ。だから、ミランがリーグ戦で首位にいることも、今後もリーグ戦のリーダーとして首位に居続けることも、当然のことなんだよ。 “勝つために作られたチーム”とは、具体的に何を指すのかな? R ― カンピオーネの数さ。W杯を制したブラジル勢、これまでに何度もスクデットを手にしたイタリア人のカンピオーネ、そう、マルディーニみたいな選手だよ。それから、チャンピオンズリーグでヒーローとなったセードルフに、国の代表チームで活躍するカンピオーネたち。これほどのメンバーを揃えたチームは他にはないだろう。まさに、勝つためのチームだと言えるよね。 アンチェロッティが、チーム作りで最も苦労したことは何だろう? R ― 攻撃面と守備面のバランスを取ることじゃないかな。だけど、僕らにとってはそれほど大変な作業ではなかったけどね。ボールが相手に回った時には、自分のゾーンで自分のするべき仕事をする。つまり、余計なことを考えずに、言われたとおりの動きをすればいいんだ。全員が自分の仕事をしっかりやれば、ボールを味方が奪った時点で相手陣内で自動的に数的有利が生まれているからね。 今の君は、プレーをエンジョイしているように見える。 R ― そうだね、すごく楽しんでいるよ。こんなに楽しくサッカーができるのは初めてじゃないかな。ポルトガル代表でもこんなに楽しんだことはないよ。アンチェロッティは“つなぐサッカー”をやろうとしているんだ。これは、僕にとっては最高のパターンだよ。足元でパスをつないで、エリア内にスペースができた時点でラストパスをフィードするというのは、ポルトガルスタイルのサッカーだからね。それに、今シーズンのミランは、ラストパスを得点に結びつける“ボンバー”に不自由していない。シェヴァとインザーギがきちんとゴールを決めてくれるからね。ポルトガル代表にもこんなストライカーがいてくれればと思うよ。パサーがいてストライカーがいる今のミランは、攻撃のバランスが最高だということさ。 | |||||||||||||
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