僕は3ヶ月も前からイタリア代表を
選ぼうと決めていたんだ
カモラネーシ、イタリア代表に選ばれた時の気分はどうだった?
カモラネーシ(以下C) ―― 興奮したよ。ただ、アッズーリの一員になれたことへの“誇り”のほうが大きかったね。イタリアという国は、いつでも僕を幸せな気分にさせてくれる。そんな国の代表に選ばれたんだから最高だよ。
ただ、君自身は、まだ自分をアルゼンチン人だと思っているんじゃない?
正直言って、難しい選択だったのでは?
C ―― 確かに、僕はアルゼンチンで生まれて、人生の大半を向こうで過ごしてきたから、生まれ故郷への愛着はあるさ。でも、プロとしての実績はすべて国外で積んだものだし、3年間を過ごしたことで、僕はイタリアも大好きになった。僕の祖父は、いつもイタリアのこと、特に彼の生まれ育った町のことを聞かせてくれたんだ。よくこう言われたよ。「お前の中には、イタリアの血が流れている。そのことも忘れるんじゃないぞ」ってね。
「カモラネーシは、ウマくやった」なんて言っている人もいる。もし、アルゼンチン代表のビエルサ監督が、トラパットーニ監督よりも先に君を代表に招集していたら、イタリア代表のことなんて考えていなかったんじゃない?
C ―― それはないよ。僕は3カ月も前からイタリア代表を選ぼうと決めていたんだ。僕がアッズーリでもプレーできるようになった時、すぐにトラパットーニ監督から電話があったんだ。その時から、僕の心は決まっていたんだよ。
ただ、バティストゥータをはじめ、イタリアでプレーするアルゼンチン人の選手からは、批判めいた意見があったことも事実だよね。
C ―― それは、彼らの自由だよ。というよりも、彼らがそう言ってくるのは当然のことさ。きっと、彼らは心の中で僕のことを“裏切り者”だと考えているんじゃないかな。ただ、僕は誰かを裏切ったつもりはないし、誰ともケンカをする気はないよ。
故郷のタンディルではどう? みんな喜んでくれているの?
C ―― うん、すごくね。僕の代表入りが決まった時には、大きなフェスタを開いてくれたらしい。イタリア代表の試合を観るために、みんな衛星放送に加入したって言ってたよ。
イタリア人の中にも、少なからず、君の代表入りを快く思っていない人がいるみたいだね。アッズーリの中でも、トルドが「イタリア代表はイタリア人のもの」というような話をしていた。こういった声に関してはどう?
C ―― うーん……ただ、一つだけ言えるのは、アッズーリのほとんどの選手が、僕を快く迎え入れてくれたってことさ。今のアッズーリは本当に素晴らしいチームだよ。確かに、僕が加入したことで、何人かの選手は戸惑っているようだった。でも、それも何試合かこなしていけばなくなるはずさ。少しでも早く、「カモラネーシって良い選手だな」って言ってもらえるようになりたい。そうなったら、生まれた場所なんて関係なくなるからね。
確かに、君が誰かのポジションを奪うということはなさそうだ。今のイタリアには、君のように速くてテクニックのあるウイングタイプの選手がいないからね。君を「ブルーノ・コンティの再来だ」なんて言う人もいる。
C ―― そう言ってくれる人もいるみたいだね。でも、コンティは伝説のプレーヤーだよ。僕が彼のようになるには、W杯でイタリア代表を優勝させるぐらい頑張らないと。
今、W杯という言葉が出たけど、君にとっても、やはりW杯は大きな目標なのかな?
C ―― もちろんだよ! W杯で優勝することは、サッカー選手だったら誰もが夢見ることなんだから。もし、イタリア代表の一員としてそれが達成できたら最高だろうな。ただ、その前にEURO2004がある。今はそっちのほうに集中しているよ。僕は、EURO2004に臨むアッズーリの23人に何としても入りたいと思ってる。もしそうなったら、僕にとっては初めての国際大会になるからね。
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