大詰めに入った5月の中旬頃から、僕らは
全員がトップコンディションを取り戻していたんだ |
アンドレイ、正直に答えてくれるかな。
ミランがヨーロッパチャンピオンになったということは、「ミランがレアル・マドリーやマンチェスター・ユナイテッドよりも強い」ということを意味していると思ってる?
S ―― 「どっちが強い?」なんて議論は不可能さ。「今年はどこが勝った」という議論なら可能だけどね。例えば、ミランはマンチェスター・Uとは対戦していないけど、ユーヴェはマンチェスター・Uと対戦して負けている。ミランはユーヴェをPK戦とはいえ決勝で下している。マンチェスター・Uはレアル・マドリーに負けている。そのレアルは準決勝でユーヴェに負けている。レアルに勝ったユーヴェにミランは勝っている。となると、今シーズン一番強かったのはどこなのか一目瞭然だよね(笑)。勝敗を決めるポイントは、やっぱり選手のコンディションだと思うな。特に今シーズンのチャンピオンズリーグは選手のコンディションが例年以上に大きなポイントを占めていたような気がする。大詰めに入った5月の中旬頃から、僕らは全員がトップコンディションを取り戻していたんだ。ケガ人も全員戻ってきたし、シーズンを通じてチームとして最高の調子にあった。つまり、ことチャンピオンズリーグに関してはツキも味方したと言えるんじゃないかな。もちろん、フィジカル・コーチが良い仕事をしたことも忘れちゃいけない。
5月の下旬には、チャンピオンズリーグ優勝だけでなく、コッパイタリアも制した。コッパイタリアをミランが手にするのは1977年以来のことだよ。君はスタディオ・オリンピコでのアウェーゲーム(第1戦)で見事なゴールを決めている。あの日、ミランが記録した4ゴール(ローマ1−4ミラン)の中で最も美しく、最も重要なゴールを君は決めたんだ。
S ―― “最も重要”という言葉は引っかかるな。あくまでも4本のゴールすべてが重要だったんだ。サン・シーロでの第2戦では、いきなり2ゴールを奪われたんだからね。第1戦の4点がなかったら、あの時点で僕らはパニックに陥っていたはずだ。とにかく、第1戦の4点は大きかった。「あと2点取られなければ負けはない」と思うだけで、冷静にゲームを進めることができたからね。 |
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準々決勝のアヤックス戦。
シェヴァはこの日、勝ち越しとなる1ゴールを挙げた |
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トヨタカップに勝つということは
世界一の栄光を手にするということなんだ |
マンチェスターでの勝利によって、ミランはインターコンティネンタルカップ(トヨタカップ)という、世界一の座をかけた試合への切符を手に入れた。15年ぶりの世界一の座を、ベルルスコーニ会長以下、数百万のミラニスタは心待ちにしているだろうね。その点に関しては?
S ―― 会長やファンの願いが叶うよう、全力を尽くすだけさ。15年前のミランはすごかった。桁外れに強かった。あの頃はいつもテレビでミランの試合を追ってたよ。ほとんどのゲームを観てた。実は、僕がミランのファンになったのはあの頃なんだよ。あの頃のミランは本当にファンタスティックなサッカーをやっていた。今のミランがあの時のレベルに達しているかって? そうは思えないな。でも、今後、あのレベルに到達する可能性は十分にあると思ってるよ。なぜなら、今のミランは、パオロ(マルディーニ)とビリー(コスタクルタ)を除けば、中心選手のほとんどが若手だからね。まだまだ伸びる余地があるってことさ。
ミランの新シーズンは、8月29日にモンテカルロで行われるヨーロッパ・スーパーカップからスタートするね。 S
―― スーパーカップ自体にはそれほど興味はないけど、勝つに越したことはないよ。タイトルは一つひとつ積み重ねていくものだからね。それに、世界中にオンエアされるだろうから、みっともないプレーは見せられない。とにかく、勝つことが重要だよ。僕ら選手にとっては、こういった試合は個人タイトルを獲る上で重要だしね。
それはどういう意味だい? S ―― 今年はW杯やEUROのように、ナショナルチーム同士で争う大きな国際大会がないから、クラブチームの国際ゲームが、バロン・ドールのような個人タイトルを決める上での判断材料になってくるんだ。だから、僕にとってはすべてが重要なゲームさ。すべてのタイトルが重要なんだ。どんなタイトルでも構わない。できるだけ多くのタイトルを手にしたいね。
前半は全く姿を消していた男が、後半に最高の働きを見せてバロン・ドールに輝く、という筋書きかな? S
―― そう願いたいね(笑)。そして、日本で世界一になるんだ。トヨタカップでは何としても勝ちたい。クラブ世界一を決めるゲームだからね。トヨタカップに勝つということは世界一の栄光を手にするということなんだ。
いよいよ、シェヴァの日本上陸が実現するわけだ。 S ―― 1年半遅れになっちゃったけどね。そう、できることなら、1年半前、W杯でプレーしたかったよ。あと一歩、というところまで行ったのに、あのプレーオフでの敗戦によって、W杯でプレーするという夢は叶わなかった。残念だったね。実は日本についてはいろいろと知っているんだ。レオナルドから詳しく聞いているからね。レオナルドは素晴らしい人間さ。彼がミランに戻ってきてくれて本当に良かったと思う。フロントとしてきっと良い仕事をしてくれると思うよ。
トヨタカップはまだずいぶんと先のことだけど、どんなゲームになると予想している? S
―― 厳しいゲームになることは間違いない。今までのゲームを見ても、一方的なゲームはほとんどないからね。今回もきっと接戦になると思う。現時点では、まず、僕らと対戦するチームがどこになるのかが気になるよね(ブラジルのサントスかアルゼンチンのボカ・ジュニオールス)。そして、相手が決まったら、ウチのスカウトが徹底的に分析するはずさ。ウチにとって有利なのは、たとえ相手がどこになっても、ミランほど日本を熟知しているチームはそうはないということ。なぜなら、ミランはこれまでに何度も日本でゲームをしているからね。マルディーニやコスタクルタが様々な情報をくれるはずさ。 |
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