インタビュー・文●ジャンニ・ヴィズナーディ
Interview and text by Gianni VISNADI
写真●兼子愼一郎
Photo by Shin-ichiro KANEKO
ついに成し遂げた。アンドレイ・シェフチェンコは、ついにヨーロッパの頂点にたどり着いたのだ。ミランのチャンピオンズリーグ制覇を決めたのはシェヴァのPKだった。シェヴァの蹴ったボールは鮮やかな軌跡を残してゴールに吸い込まれていった。
デル・ピエロがPKを決めてスコアは2−2。決めればミランの勝利、外せばサドンデス方式へもつれ込むという場面で、両チームあわせて10人目のキッカー、シェフチェンコに順番が回ってきた。今シーズンのカンピオナートでシェヴァは一度もPKを蹴っていない。ミランには、今シーズン8回試みて8回成功しているピルロを筆頭に、ルイ・コスタ、インザーギ、リヴァウドと、PKのスペシャリストたちが揃っている。だが、決定的な場面で天はシェヴァを選んだ。彼はボールをPKスポットに置き、数歩下がって助走の準備に入った。
ゴール裏のテレビカメラはシェフチェンコの表情をアップで映し出していた。シェヴァは相手GKブッフォンに目をやった。そして、彼の左側にいるレフェリーに目をやり、笛を促した。両目を大きく見開いたままのその表情は、ともすれば錯乱気味のようにも見え、何かに取り憑かれているかのようでもあった。マングースがコブラに襲いかかる寸前そうするように、シェヴァは軽く頭を回した。彼は再び、ごく自然な流れの中で、ブッフォンに目をやり、そして、レフェリーに目をやった。「まだなのか?」と再度、レフェリーに催促したのだ。一呼吸おいた後、レフェリーは軽くうなずいた。その瞬間、彼は心の中でこう言ったのかもしれない。「さあ、決めるぞ。決めてチャンピオンズリーグを制覇するんだ」。
彼の足から放たれたボールは美しい軌道を描き、ゴールネットを揺らした。緊張感から解き放たれたシェヴァは、気を抜くことなく次のPKに備えていたジダに向かって一直線に走り、抱き合い、飛び跳ねて喜びを爆発させた。トレゼゲ、モンテーロ、サラジェータのPKを止めたジダと、最後のPKを決めたシェヴァ。2人のヒーローの抱擁は、「ミラン帝国復活」を雄弁に語っていた。
アンドレイ・シェフチェンコ
1976年9月29日ウクライナ生まれ
183cm/72kg
シーズン
クラブ
出場数
ゴール
1994−95
1995−96
1996−97
1997−98
1998−99
1999−00
2000−01
2001−02
2002−03
ディナモ・キエフ(ウクライナ)
ディナモ・キエフ
ディナモ・キエフ
ディナモ・キエフ
ディナモ・キエフ
ミラン
ミラン
ミラン
ミラン
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