彼のコンバートは奇跡的な成功例だ。右サイドハーフから左サイドバックへのポジション変更は、かつて一度も行われたことがなかった。あるいは仮に行われていたとしても、成功した先例がないのかもしれない。いずれにせよ、それほど難しい行為なのだ。しかし、この難事をジャンルーカ・ザンブロッタは見事に乗り越えた。そして今では、新たに与えられた左サイドバックを完璧にこなしている。もはや彼を元のポジションに戻すべきだと主張する者はいない。
マルチェッロ・リッピ監督が、選手のポジションに修正を加えたのはザンブロッタが初めてのケースではなかった。例えば、本来はDFとしてのプレーを得意とするイゴール・テュドルを中盤の底に据えたのが一例だ。もっとも、右サイドのMFを左サイドバックにコンバートするという発想はあまりにも大胆であった。だからこそ、ザンブロッタが左サイドバックとして何不自由なくプレーするのを目にした時、多くのイタリア人が驚嘆の声を上げたのだ。
完璧なプレーを披露し続けるザンブロッタに対し、「若き日のマルディーニのようだ」という賛辞を贈る評論家もいれば、「イタリア版のロベルト・カルロスだ」と左サイドのスペシャリストの名を挙げて、高い評価を与える評論家もいる。さらには、ユヴェントスが生んだイタリア史上最高の左サイドバック、すなわち82年W杯スペイン大会優勝時のメンバー、アントニオ・カブリーニを彷彿とさせる、と絶賛する評論家まで現れている。カブリーニ自身もザンブロッタの実力を認めているようだ。「ザンブロッタは私が歩んだ道を順調に歩んでいる。いや、私以上のサッカー人生を築き上げることも可能だろう。彼は身体能力に恵まれているし、良い動きを見せている。それに、左足でフィードするクロスの精度も日ごとに上がっているようだ」。 |