君にはボランチらしからぬ鋭いゴール感覚がある。
そのゴールに向かう感覚は、いったいどこで培われたものなんだろう?


デ・ロッシ (以下) ―― ローマの下部組織だと思うな。ディフェンスラインの前でレジスタとしてプレーするようになったのは、実は最近のことなんだ。それまではずっと、トレクアルティスタのポジションでプレーしていたんだよ。ヘディングシュートや、前線に切り込むプレーは、その時に身につけたんだ。つまり、当時の僕は、どちらかと言うとファンタジスタ・タイプだったんだよ。実際、相手との当たりを怖がっている部分もあったしね。だけど今は、自分自身の当たりの強さを少し抑えなくてはと思っているくらいさ。カペッロ監督からは、「意味のない警告をもらうな」とよく注意されているしね。

君は、わずか20歳でここまでのタレントに成長した。
それには、お父さんの存在も大きかった?


D ―― もちろんだよ。ただ、父が積極的に僕を指導したことは、ほとんどなかった。むしろ、彼の存在は、人間的成長という面ですごく重要だったと言えるかな。彼は僕のたった一人の父親だけど、そのこととカルチョとは全く関係ないからね。もちろん、彼も元プレーヤーだから、様々な点でアドバイスをもらうこともある。ただ、その多くは、ピッチ外での態度についてであって、プレーそのものに関してではないんだ。礼儀作法という点では、非常に厳しい人だよ。また、プリマヴェーラ時代には、親と子の師弟関係の中で起こりがちな公私混同を避けるように配慮してくれていたようだった。彼が、技術的なことや戦術的なことで必要以上の口出しをしてくることはまずなかったね。つまり、出しゃばってくるようなことは決してなかっんだよ。

君のことを周囲は「まるで若年寄みたいだ」と言っている。
デビュー当時から、ベテランの雰囲気を漂わせている君だけど、その落ちつきはどこから来るんだい? この分だと、代表のデビュー戦が来ても、全く緊張しそうもないよね。


D ―― 若年寄か。ただ、それは僕の一面に過ぎないだろうね。グラウンドを離れれば、僕も他の20歳の青年と同じような生活をしているよ。幼馴染みの友人たちと生まれ育ったオスティアをブラブラしたり、夕方になれば、近くのピッツェリーアやレストランで大騒ぎしたり、夏になれば、みんなで近くのビーチに出かけたり……そう、オスティアの砂浜に行ってビーチバレーをするのが大好きなんだ。そんな感じで、1年の半分は、僕も普通の若者と同じように過ごしている。つまり、僕は人より少しサッカーが上手くて、少し幸運だっただけ。一応、そのことは、ピッチの上でも外でも自覚しているつもりだよ。

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