チャンスは必ずやって来る、
後は時間の問題だと思っていたよ

イタリア中がパオロ・ロッシのゴールに酔いしれていた82年に君は生まれた。 この年はサッカー選手の当たり年と言われているよね。 この年代についてはどう思っているのかな?

ジラルディーノ(以下G) ―― この年代には素晴らしい選手が揃っている。例えば、今のU−21イタリア代表だって、すごく良いチームに仕上がっているよ。イタリア人だけじゃない。セリエAでプレーする外国人選手にもすごいヤツらがいるからね。その中でも、“怪物”と呼べる選手は2人かな。

それは誰だい?

G ―― アントニオ・カッサーノとカカーさ。

カッサーノの評価は真っ二つに割れているよね。ピッチ上の華麗なプレーは称賛されるが、ピッチ外でのマナーの悪さは批判の的だ。

G ―― アントニオはそういう性格なのさ。彼はまだ若いんだ。もっと年代が上の相手と比べれば、感情のままに直接的な行動を取ってしまうのも仕方ないよ。彼の行動にイライラする人の気持ちがわからないね。カッサーノが話題になった時に限って、カルチョの世界は必要以上に道徳的になる。そう思わないかい?

道徳的?

G ―― そうさ。一人の若者をまな板の上に乗せて、その言動のすべてをチェックするのはフェアじゃないってことだよ。そうだろう? ピッチ上で彼が何を言っているのか、いつも彼の口元に注目しているんだ。彼に限らず、サッカー選手にはどうしても注目が集まってしまう。サッカーに関する記事も多いし、テレビでもサッカーの話題ばかり。どうしても、若い僕らが批判の対象になってしまうのさ。

しかし、人気とはそういうものだよね? 君たちは富と名声を得ているのだから、それも当然だとは思わないかい?

G ―― わかっているよ。ただ、こんな状態では呼吸すらできない……。

ピッチ上の話に戻ろう。今シーズン、これだけの活躍ができると予想していたかい?

G ―― 今シーズン開幕時、僕はチームの中で2番手か3番手のFWだった。だけど、僕自身は諦めていたわけじゃない。少なくとも昨シーズンは、プランデッリ監督から信頼されていたからね。チャンスは必ずやって来る、後は時間の問題だと思っていたよ。比較的、楽観視していたんだ。

そして、その結果は?

G ―― もしかしたら、今シーズンは近い将来への準備期間で終わっていたかもしれない。でもそれが、僕のサッカー人生の大きな飛躍の年となった。シーズン開幕時にムトゥが移籍して、次はアドリアーノがケガで戦線離脱した。そしてケガから復帰したと思ったら、今度はインテルに移籍だよ。

その結果、パルマはジラルディーノの才能を発掘したというわけだ。

G ―― 僕自身、プレーしているうちに上手くなったような気がするんだ。少なくとも2、3年前の僕とは全然違うはずだよ。若い時にチャンスを与えられると、とにかく全力でやらなきゃいけないと焦ってしまうものなんだ。そして、結局は“やりすぎ”て失敗に終わってしまう。だけど、今の僕は違うよ。自分をうまくコントロールできるようになったんだ。

君の“上”にムトゥとアドリアーノがいて、君に出番が回ってこない状況が続いた。出場機会を求めて他のチームに行きたいとは思わなかったの?

G ―― さっきも言ったとおりさ。昨シーズン、プランデッリは僕を信頼してくれた。出番を与えられた時は、僕もそれなりの仕事をしたつもりでいる。そんな状況で、僕がパルマを出なくちゃならない理由はないよ。パルマでの道は開けていたんだから。

プランデッリ監督はどんな監督?

G ―― すごく人間味のある監督だよ。若い選手を育てるのが好きなんだと思う。若い選手には特に一生懸命だしね。そうだな、親父というより、兄貴という感じかな。ジェネレーションギャップをほとんど感じないからね。

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