インタビュー・文●マッテオ・マラーニ
Interview and text by Matteo MARANI
写真●兼子愼一郎 
Photo by Shin-ichiro KANEKO

ジェンナーロ・“リーノ”・ガットゥーゾは、今年の1月で26回目の誕生日を迎えた。現在の彼は、“赤い悪魔”に酸素を送り込む肺の役割を果たしている。そう、ロッソネーリの一員として5年目のシーズンを終えたガットゥーゾは、カルロ・アンチェロッティ率いるスター軍団の貴重な“カルブランテ”(燃料)なのである。

そんな彼に、ファンは心からの愛情を注ぐ。アドリアーノ・ガッリアーニ副会長も、「マルディーニ引退後のキャプテンは、リーノだよ」と公言するほど、ガットゥーゾは今のミランになくてはならない存在なのだ。

03−04シーズン、“赤い悪魔”は史上17度目のスクデットを勝ち獲ったが、その影にはカカーの繊細なボールタッチ、ピルロの冷静な試合運び、ネスタの堅守、シェヴァの卓越した決定力があった。ただ、77キロのガッツの塊、“リンギオ”(唸り声の意味。相手に向かっていく彼のプレーが、あたかも吠えかかる犬の姿に似ていたため名づけられた)ことガットゥーゾの激しさと汗がなければ、5年ぶりのスクデット獲得はあり得なかったはずである。相手のコースを塞ぎ、味方を助け、ボールを前線へと運び続けたその働きがあったからこそ、チームは17度目の美酒に酔いしれることができたのだ。

思えば今年もまた、彼は休むことなくピッチ上で唸り声を上げていた。それと同時に、この1年で技術的にも大きな飛躍を遂げた。彼はもはや、ただの“リンギオ”ではない。見事な技術も兼ね備えた今の彼を、これからは“ピントゥリンギオ”と呼ぶことにしようではないか!(デル・ピエロのあだ名“ピントゥリッキオ”にかけている。ピントゥリッキオは、イタリア・ルネッサンスが生んだ名画家の一人。デル・ピエロの優雅なボールタッチに魅せられた故ジョヴァンニ・アニェッリが名づけた)

ミランに移籍してから、すでに200試合近くのゲームに出場してきた“ピントゥリンギオ”。彼は今、ミランの一選手から、ミラニスタのシンボルへと変貌を遂げようとしている。

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