アテネオリンピックに招集されたピルロは、ミランの練習に参加できなかった。つまり、ミランは中心的存在である彼抜きでシーズンの準備を進めたわけだ。これは大きなマイナス要素となったと思わない?

カカー(以下K)― 確かにマイナス要素だね。イタリアスーパーカップもピルロ抜きで戦わなければならなかったわけだし。でも、アンドレア個人にとっては大きなチャンスだったと思う。ブラジルは予選で消えていたし、僕は全面的にイタリアを応援したんだ。次の機会には絶対にオリンピックに出てみたいよ。最高の経験になるはずだからね。

ひょっとしたら、ペルーで行われたコパアメリカに出なかったことを後悔している?

K― コパアメリカはすごく重要な大会だからね。今年は、ルイス・ファビアーノとサントスのジエゴが活躍したけど、できることなら僕もペルーでプレーしたかったよ。ただ、今の僕が休息を必要としていることは間違いないんだ。代表とクラブのゲームスケジュールで、3年近くほとんど休みを取れなくて、疲れ切っていた。骨休めが必要だったのさ。だから、コパアメリカも辞退したんだ。

それで、疲れは取れたのかい?

K― アメリカを旅行したんだけど、それがすごく良かったんだ。不思議だよね。1年前、ブラジル代表の遠征で行ったアメリカで、今年は休息に専念できたんだから。とにかく、すごく良かったよ。

少し前の話になるけど、EURO2004のイタリアの戦いぶりをテレビで観戦した?

K― いや、全然観なかった。

それで正解だったよ。

K― テレビで観たのは決勝戦だけ。ギリシャはすごく守備的なサッカーをしていたね。チームとしての結束力が強かった。

今シーズンのミランについて、君はどう見ている?

K― 間違いなく強いよ。特に、クレスポ、ドラソオ、スタムの3人を獲得したことは大きなプラスになるだろうね。

その3人のうち、まずはクレスポの話をしよう。

K― 彼は素晴らしいストライカーだよ。いとも簡単にゴールを決めるんだ。あれだけ簡単にゴールを決める選手は少ないと思うな。信じられないような選手さ。

ドラソオは?

K― 頭の良い選手だね。見た感じはおとなしそうだけど、やると決めたらガツンとやるタイプだ。身体能力も高いし、チームのために機能できる選手さ。とにかく、彼の加入で中盤のポジション争いは熾烈になったよ。

ポジション争いが熾烈になったということは、君にとっては精神的にあまり良くない状況だよね?

K― その逆だよ。すごく刺激になる。モティベーションも高くなるし、いいことだと思うな。チーム全体のレベルアップにつながるはずだよ。

スタムはどうかな?

K― 今夏最大の補強と言えるだろうね。セリエA全体でも最高の補強だと思うよ。

世界最高のDFと言う人もいるよね。

K― いや、それは違うな。世界最高のDFはパオロ・マルディーニさ。マルディーニは何年も前からずっとバロン・ドールの候補に挙げられてきたからね。ただ、今まで一度もバロン・ドールの栄光に輝いていない。なぜバロン・ドールが獲れないのか、不思議なくらいだよ。バロン・ドールと言えば、シェヴァも賞に値する選手だと思うよ。僕のパスでシェヴァをバロン・ドールに近づけられたらいいね。僕のパスをシェヴァが決める回数が増えれば増えるだけ、彼がバロン・ドール獲得に近づく。そして、やがては僕にも順番が回ってくる。それが理想だね。そうそう、スタムに関してだっけ? スタムが加わったことで、マルディーニ、ネスタがいたミランのディフェンスラインはさらにすごい布陣になったよ。

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