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サンドロ、君は世界でも有数のDFだけど、その君が考える“完璧なDF”とはどういうものなんだろう? ネスタ(以下N)―― いや、“完璧なDF”なんてものは存在しないんじゃないかな。というより、言葉で言い表せるようなものじゃないと思う。ただ、もし現代のサッカーにおいて完璧な守備というものがあるとしたら、それはチーム全体によって作り出されるものだろうね。例えば、今のミランがもし、守備力が向上して危険を回避できるようになっているとすれば、それは決してDF陣だけの力ではないよ。僕らの前にいる中盤の選手が、相手の攻撃にしっかりとフィルターをかけて、相手の攻撃を遅らせてくれるおかげなんだ。もっと言うなら、FW陣が前線から相手にしっかりとプレッシャーをかけてくれているからなんだよ。僕が主張したいのはそういうことだ。守備はDF陣だけの問題じゃない。現代サッカーでは、チーム全体でディフェンスをすることが重要になっている。チーム全体の動きをぴったりシンクロさせながら、相手の意図を先読みして、攻撃の芽をいち早く摘み取ることが大事なんだ。 イタリアサッカーはディフェンシブな面が常に重視されているよね。このことについてはどう思う? N―― いや、それは完全な間違い、一昔前の考え方だと思う。実際、カンピオナートをじっくり観察すればわかるはずだ。嘘だと思うなら、今のセリエAの各チームのフォーメーションを分析してみるといいよ。ほとんどのチームが、2トップの下にトレクアルティスタを置いていることがわかるから。たとえ古典的な4−4−2のシステムを採用しているチームでも、中盤の両サイドには攻撃的な選手を置いているところが多い。つまり、セリエAのサッカーは決して守備偏重ではないということだ。 しかし統計では、スクデットはいつもそのシーズンで最も失点が少ないチームが勝ち取っている。これについては? N―― 確かに、それは事実だね。でも、最も重要なのはバランスの取れたチームを作るということじゃないかな。守備が安定しているだけではダメなんだ。つまり、相手ゴール前の数メートルのところで何をすべきかわかっているチームを作る必要がある。1−0のリードを守り切って勝つなんてやり方は、ここセリエAでもすでに時代遅れだと思うんだ。それに最近は、ゴールを狙える選手の数が増えてきたしね。だから点を取り合うサッカーが可能になっているんだよ。 でも、「DFが良いチームが勝つ」という法則は今シーズンも生きているよね。事実、前半戦のチャンピオンに輝いたユーヴェの総失点はリーグ最少だ。 N―― もう一度言うけど、守備というのはDF陣だけがやるものではないんだ。ユヴェントスで言えば、確かにブッフォン、カンナヴァーロ、テュラムの能力は大事だよ。だけど、ブラージやエメルソンがディフェンスラインの前でしっかり守るからこそ、チーム全体の守備が機能してくるんだ。そういう意味では、うちのピルロは今シーズン格段の進歩を遂げたと言える。昨シーズンまでは、中盤の底で守りに気を配っているのはガットゥーゾだけだったからね。 なるほどね。それでは話を変えて、自分以外のDFでは誰がすごいと思う? N―― いつもの顔ぶれだよ。ミランのマルディーニとスタム。それから、さっき名前を挙げたユヴェントスのテュラム、カンナヴァーロのコンビ。ファビオ・カペッロは、ユーヴェでこの2人を軸にもう一度ディフェンスラインを作り直したよね。この2人とGKのブッフォンは、もともとパルマで一緒にやっていた仲だから、彼らのコンビネーションは抜群だよ。 今、ブッフォンの名前が出たけど、君が現役最高のGKだと思う選手を挙げてくれるかい? N―― 現在イタリアには、ブッフォン、トルドという世界最高峰のGKが2人いる。ただし、僕が今注目しているのは、ウディネーゼのモルガン・デ・サンクティス。彼のここ数年の成長ぶりは本当にすごいよ。もし今後ビッグクラブでプレーするようになったら、必ず代表入りするような逸材だと思っている。もっとも、彼が所属するウディネーゼが今後ビッグクラブの仲間入りをする可能性も否定できないけどね。 逆に、これまで対戦したFWの中で、マークするのが一番大変だった選手は誰なんだろう? N―― うーん、そうだなあ……。シェフチェンコと初めてオリンピコで対戦した時には、強烈なインパクトを感じたね。結局、あの試合は4−4の引き分けだったんだけど、彼にはハットトリックを決められた。あの時、彼をマークしていたのは実は僕だったんだ。だから、今は彼と同じチームになって本当に良かったと思ってるよ。最近ではマーティンスのプレーが印象深い。彼の成長ぶりには目を見張るものがあるね。
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