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今シーズン、エルナン・クレスポがミランの主役を演じると信じていたのはカルロ・アンチェロッティ監督だけだった。だからこそ、アンチェロッティ監督は、アドリアーノ・ガッリアーニ副会長に、チェルシーからのクレスポ獲得を執拗に頼んだのである。
クレスポのレンタル移籍はあっさりと成功した。チェルシーのロマン・アブラモヴィッチ会長の招きに応じたジョゼ・モウリーニョは、監督に就任した翌日に、「クレスポの再生は不可能だ」と断言したのである。新監督に“見捨てられた”クレスポは、新シーズン開幕を前にして、働き場所を探す必要に迫られた。彼の新天地はミラン以外にはあり得なかった。クレスポを欲しがるガッリアーニと、クレスポを邪魔だと感じているアブラモヴィッチ。クレスポの移籍に障害は一切なく、すんなりと合意に達した。チェルシーは、クレスポをミランで1年間プレーさせることにしたのである。チェルシーは、クレスポの権利を単に譲渡しただけでない。チェルシーが彼に保障している年俸は600万ユーロ(約7億8000万円)。本来、レンタル期間中の年俸はミランが支払うものだが、そのうち200万ユーロ(約2億6000万円)を肩代わりすることまで約束したのである。
クレスポは、移籍金1500万ユーロ(約18億円)でインテルからチェルシーに移籍した。そして、それから1年も経たないうちに、クレスポは自らの復活の場を再びミラノに求めたのである。
クレスポ入団発表の席上、ガッリアーニは、「我々はアンチェロッティ監督にプレゼントを贈りたかったんだよ」と語った。ただ、それから8カ月後の現在、本当の意味でのプレゼントを“享受”したのはクラブ側だったのかもしれない。クレスポは、アンチェロッティを喜ばすと同時に、チャンピオンズリーグでの大活躍で、クラブに大きな経済的効果をもたらしたのだ。
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