本誌記事 WebCALCiO 2002

まるで、後ろからシャツを引っ張られているような気分だ。ピッチ上でシャツを引っ張られているのではない。イタリアでプレーしていること自体が、そういう気分にさせるのだ。マスコミは、彼が何かに苦しんでいることを見抜いて言葉の罠をかけてくる。ジェンナーロ・イヴァン・ガットゥーゾは素直な男である。感じたこと、心に浮かんだことをすぐに口に出してしまうタイプなのだ。それで思わず、「スコットランドに戻りたい」などと口走ってしまったのだろう。イタリアには、選手を無駄に疲れさせるストレスの種が溢れている。ガットゥーゾはそのストレスから抜け出したかっただけなのだ。もっとも、その正直さが誤解を生んでしまったのだが。

ベースボールキャップを目深に被り、ジャージ姿で現れたガットゥーゾは、ミラネッロのサロンの純白のソファーに深く座ってこう切り出した。「もう二度と同じ過ちは繰り返さない。今度、報道陣にジョークを言う時は十分に言葉を選ぶつもりさ。他の選手がやっているように、決まりきったフレーズしか言わないつもりだ」

ここ数年のガットゥーゾが心がけてきたこと。それは、“普通の人”を装うことだった。彼はこれまで、偉大なカルチョの世界に幸運にも足を踏み込んだ、コリアーノ・カラブロ出身の純朴な青年の役を演じてきたのだ。ただ、これからはもうそんなことはしなくてもいい。内に秘めた彼の強烈な個性を隠す必要はもはやないのだ。

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