本誌記事 WebCALCiO 2002
サブタイトル

君は26歳の若さながら、すでに精神的に円熟した男だという感じがする。やはり、父親になったということが、そのような落ち着きをもたらしたと言えるんだろうか?

P― それもあるけど、結婚したことの影響じゃないかな。家で妻が僕の帰りを待ってくれているということ。もちろん、子供の存在だってそうだ。すべてが僕に良い意味での責任感を植え付けてくれているんだろうね。

家族を持ったことで、君自身も仕事のやり方を変えなくてはならなくなったのでは? 前泊だとか、遠征だとか、家を離れることが多いよね?

P― それは違うよ。仕事は常に神聖なものであるべきだというのが僕の考え方だ。ただ、子供がまだ小さいということは時に問題になるよね。ニコロはまだ2歳なんだけど、ある意味、すべてを理解しているのさ。例えば、僕がスポーツバッグを持って外に出ようとすると泣き始めるんだ。今日は帰ってこないって分かるから、ものすごく怒るんだよ。遠征先からパソコンを使ってテレビ電話で話すんだけど、家にいる時と違って、僕に話しかけようともしない。「パパはお仕事だからね」って説明するんだけど、「仕事もパパも嫌いだ」なんて言われちゃうんだ。あれには参るよ。

その分、自宅にいる時はいつもニコロと遊んでいるんだろう?

P― そうだね。ボールで遊んだり、家の中や庭を2人で走り回っている。子供と一緒にいる時は本当に楽しいよ。ニコロも僕と一緒にいるのが大好きみたいでね。だから、代表のゲームで家を空ける時はすごくつらいんだ。10日間くらい留守にすることもあるけど、そんなに長い間ニコロに会えないなんて耐えられないよ。ニコロだって僕に会えないのはつらいだろうし。

そろそろニコロに弟か妹を“プレゼント”してあげるべきなんじゃないかな。

P― そうだね。妻のデボラとも、そろそろ2人目の子供を作りたい、って話しているんだ。

君は26歳でミランとイタリア代表に不可欠なMFとなっている。この状況には満足している?

P― 確かに、かなり良い仕事をした。いや、良い仕事をしていると思っている。“それなりのレベル”には達したと感じているよ。ただ、これから先も、もっと自分自身を磨き続けなくてはならないという自覚はある。ミランのようなビッグクラブでは、ちょっと油断すると一瞬のうちに沈むことになるんだ。毎日の練習での努力を欠かすわけにはいかない。コスタクルタやマルディーニのように、長期間トップレベルでプレーできるような選手になるためには、そうするしかないのさ。

もっと上手くならなきゃならないと思っている点は?

P― 守備面ではもっとやるべきことがあると思っている。例えば、相手のボールを奪うプレー。自分なりにだいぶ上達したとは思うけど、まだ周囲が認めてくれるレベルには達していない。つまり、まだもっと上手くなる余地があるってことさ。

逆に、成長したと思っているのは?

P― ディフェンスラインの前にポジションを取るようになってからは、毎日が勉強のようなものだね。ボールを奪う能力、ボールキープの技術、攻撃のビルドアップ、攻守のバランス……レジスタとして必要な技術を多く学んだつもりさ。

トップ下からレジスタへのコンバートは、君にとってどんな意味を持つのだろうか?

P― 以前より論理的にゲームを見ることができるようになった。より戦術的になったとも言える。トップ下でプレーしていたことが、今のポジションをやる上で貴重な経験となっているんだ。トップ下をやっていたから広い視野でゲームを見ることもできるし、FWが相手マークをかわすために、どのような動きをするのかもよく分かっている。要するに、どこにどんなボールを出すべきか分かるのさ。僕の仕事はチーム全体を動かすこと。責任は重いけど、それだけやりがいがある仕事だよ。

このポジション(レジスタ)で君が世界最高と見なしている選手は誰?

P― ヴィエラとエメルソン。他にもいるよ。ランパード、ジェラード……それぞれに個性があるから、単純に比較することはできない。みんな正真正銘のカンピオーネだよ。ただ、彼らを羨ましいとは思っていない。僕には僕の個性があると思っているからね。僕は他の選手に負けないだけのテクニックを持っているつもりだ。時として、もうちょっと体重があればとか、筋肉をつけるべきだなんて思うこともあるけど……。ただ、筋肉を増やしたら、その分だけプレーのキレが失われるかもしれない。そう考えると、やっぱり、今の自分が一番良いという考えに収まるのさ。そう、僕は今のアンドレア・ピルロが一番好きなのさ。


ピルロはアッズーリでレジスタという重要な役割を担っているが、欧州予選を戦ったチームには、彼の役割を代行できる控えが見当たらない。そこで、現在注目が集まっているのが、パレルモの司令塔を務めるコリーニだ。彼は、中盤の底から的確なパスを繋いで攻撃を組み立てる能力に長けた選手である。ピルロの特徴である、一発で決定的チャンスを作る長距離のスルーパスを出す能力こそ持たないが、ディフェンス能力はピルロを凌ぐ。ファンタジーアはトッティに任せればいいため、コリーニ起用を考えた場合、彼のマイナス面はさほど目立たないはずだ。

20歳でユヴェントスに入団し、若くして脚光を浴びたコリーニだが、その後は苦難のキャリアを送った。ミラクル・キエーヴォの一員として活躍したことで、ようやくカンピオーネと呼ばれるようになったのが31歳の時。現在35歳のレジスタは、ドイツのピッチに立つことができるのだろうか?

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