話題をイタリア代表に移しましょう。
恩師トラパットーニ監督と再会することになりましたね。
D ―― 僕がユヴェントスに来た時、監督だったのがトラップだったんだ。もう8年も経つんだね。僕は選手としても人間としてもあの頃から大きく変わったけれど、トラップは昔と全く同じ。性格だけじゃなく、容姿も8年前のままなんだよ! そこが、彼のすごさでもあると思うんだ。
代表監督としてのトラパットーニは、上々の評判ですよね。
彼はどんな面で優れていますか?
D ―― まず、セリエAの並み居る優れたプレーヤーの中から代表となるべき選手を選択する“目”かな。今のところ、彼が選んだ選手は例外なく活躍しているからね。みんな大当たり。それから、選手の扱い方もうまいね。彼は、選手が“パーフェクト”に近づける状態を作るのがうまいんだ。セリエAで神経をすり減らしている僕たちに“パーフェクト”を求めるのは無理なんだから。
今までの監督、ゾフやマルディーニに比べると、かなりアグレッシブな感じがしますけど。ベンチから迫力が伝わってきませんか?
D ―― ファイト満々って感じだね。元気の塊みたいな人だよ(笑)。でも、人を圧迫するような人ではないんだ。それどころか、彼は代表チームに落ち着いた環境を作ってくれる。さっきも言ったけど、セリエAで疲れた選手に力を出させるには、リラックスしたアットホームな雰囲気作りは不可欠だと思うんだ。だって、ただでさえリーグ戦でクタクタなのに、さらにストレスをかけられたら精神的、肉体的バランスがうまく保てなくなるからね。トラップは、この微妙なバランスのとり方を心得ているんだ。
彼の存在が、現在絶好調と言えるアッズーリの武器になっているんですね?
D ―― そのとおり。彼のおかげで選手はゆとりを持てている。だから、僕たちのチームワークが抜群なのかもしれないね。
来年のW杯が楽しみですね。
D ―― いい選手が揃っているからね。みんな自分の役割を把握しているし、僕らは若いけれど経験は豊富だから、どうしたら本番にトップコンディションで臨めるか肌でわかっているんだ。EURO2000の決勝で敗れた悔しさも、僕らのパワーをさらに引き出しているよ。あの時、周囲から叩かれたことで、僕らの団結力はますます強くなったんだ。
3月の予選(ルーマニア戦とリトアニア戦)でも、アッズーリが波に乗っていることは証明されましたね。
D ―― 比較的楽勝だったからね。試合結果も内容も満足いくものだった。ヨーロッパ選手権やW杯では、いつも四苦八苦して予選を戦ってきたけど、今回はちょっと様子が違うようだね(笑)。
リトアニア戦では、あなたの2ゴールが効きましたね?
D ―― あのゴールは、僕の力だけじゃないよ。1点目は、トッティがプレゼントボールを僕に出してくれたおかげ。2点目は、モンテッラのドリブルがあってこそ生まれたゴールだよ。ここで思い出してほしいのは、今のセリエAにおけるローマとユヴェントスの関係。ユヴェンティーノである僕のゴールが、ロマニスタの2人によってもたらされたなんて、素晴らしいじゃないか。アッズーリでは、ロマニスタもユヴェンティーノも関係ない。本当にみんな一致団結してるんだ。
W杯出場は、次のグルジア戦(6月2日)で決められそうですよね?
D ―― 楽観的発言をすると逆のことが起こったりするから明言はしないけど、次の2試合(グルジア戦か9月1日のリトアニア戦)のうちで決めてしまいたいね。
でも、アッズーリのFWはレギュラー争いが熾烈だから、ポジションを獲るのは大変ですね。インザーギ、ヴィエリ、トッティ、モンテッラ、デルヴェッキオ……。トラパットーニ監督にとっては好ましいことかもしれませんが。
D ―― チームにとって、選択の幅は広ければ広いほどいいと思うよ。それに、FWだけじゃなく他のポジション争いだって激しいからね。前線に関して言うと、現状で誰がレギュラーの“ポールポジション”にいるか断言はできないな。コンディションの良さが最後の決め手になると思うけどね。
ところで、ちょっと意地悪な質問かもしれませんが、代表とユヴェントスでコンビを組むピッポ(インザーギ)と仲が悪いという噂は本当ですか?
D ―― すごくウマが合う、とは言えないかもしれないね。でも、別に大問題になるほどのことじゃないよ。練習や試合でいつも顔をつき合わせていれば、カチンとくることもあるしね。お互いに知り合う前から「ユヴェントスで2人は両立するのか?」とマスコミに騒がれたりしていたから、警戒し合う最悪の形で付き合いが始まってしまったんだ。それに、試合内容が悪かったりノーゴールで終わったりすると、テレビや新聞は必ず僕らのコンビネーションの悪さを突いてくるからね。もう決まり文句みたいなものだよ。でも、マスコミが騒ぐほど仲が悪いわけでも、息が合っていないわけじゃない。僕は、周囲の雑音を全然気にしていないし、チームメイトがベストフレンドである必要は全くないからね。 |