現時点では、カッサーノが
僕のライバルになるとは思ってないよ

最初の質問はお決まりのパターン。これまで何度も聞かれたと思うけど、嫌がらずに答えてよ。バティの加入でベンチ暮らしに追いやられた数カ月間のことさ。あの頃はどんな気分だった?

モンテッラ(以下) ―― もちろん、いい気分ではなかったよ。“暗黒の時代”とでも言っておこうかな。ゲームに出る出ないということだけでなく、ゴールにしたってそうさ。100日以上もゴールから遠ざかるなんてことは、今まで1度もなかったんだよ。ヴィチェンツァ戦でのゴールは、去年の11月以来のゴールだったんだ。……とても長かったよ。その期間、周囲の支えもあまりなかったし、ロマニスタからの信頼感すらも失っていたような気がしていたしね。特にロマニスタの信頼を感じられなかったことはショックだった。だって、彼らが僕を信頼していてくれたからこそ、僕はローマに残ったんだ。昨シーズンも彼らの声援があったからこそ、僕はゴールを決めることができたんだ。だから、オリンピコでゴールを決めるというのは何物にも代え難い幸せなんだ。

ロマニスタは君を見捨ててはいなかったんじゃない?

 ―― そうさ、僕の誤解だったんだ。彼らは僕を待っていてくれた。100日間以上、辛抱強く僕を待っていてくれたんだ。彼らにはとても感謝しているよ。

少々出遅れはしたけれど、シーズン終了時には何ゴールくらい決めているかな?

 ―― 正直言って、現時点では何とも言えないな。問題はカペッロがどのくらい僕を使ってくれるかだよ。彼としてはバティとマルコ(デルヴェッキオ)で行きたいんじゃないかな……。僕を使うということは、あくまで2次的選択だと思うんだ。だから今の僕には、「今シーズンの目標は得点王を獲ることだ」なんて大それたことは言えないよ。それよりも、まずはチームの勝利が優先さ。スクデットを獲るためには、個人的な欲望はある程度放棄しなくてはいけないと思ってる。確かにストライカーにとって、ゲームに出ること、そしてゴール数を積み重ねることは大事なことだよ。ただ、スクデットを勝ち獲ることのほうがもっと大きなことなんだ。

これも常に聞かれることだと思うけど、ターンオーバーはチームにとって必要なのかな?

 ―― これだけカンピオーネが揃っているチームではターンオーバーは必要だと思うよ。でも、僕の場合はターンオーバーとは関係ないね。シーズン開幕前は僕がバティと2トップを組むことになっていたんだ。少なくともカペッロはそう言っていた。ところが、シーズンが始まると、なぜだかわからないけど、カペッロはバティとデルヴェッキオの2トップでいくことに決めたんだよ。要するに、モンテッラはあくまで2人のどちらかがプレーできなくなった時の控え要員にすぎなかったというわけさ。

長い間ベンチ暮らしをした後、出番を与えられた君はすぐに結果を出した。その秘訣は?

 ―― 練習がすべてだよ。僕は練習しか信じていないんだ。僕の父はアルファ・ロメオの職工だった。そして、家に戻ってくると、少しでも金を稼ぐために大工の仕事もしていた。1日に15時間は働いていたよ。僕はそんな環境で育ったんだ。父から、練習(労働)があるからこそ成功があるということを学んだんだよ。だから、練習は欠かさないつもりさ。それに、僕専用のフィジカルトレーナーもいるんだ。ローマでは僕につきっきりなんだ。だから、控え要員であっても、レギュラー組と同じように練習をこなせた。もっとも、ベンチ要員からレギュラーのポジションを獲得するためには、練習だけでは無理かもしれないけどね……。

何か他にも必要なことがあるのかな?例えば、君のライバルであるバティやデルヴェッキオがケガをするといったことが?

 ―― 確かにね……たまたまそういう状況から僕の道は開けたよ。だけど、僕の言いたいことはそういうことじゃない。種々の理由で他の選手を使いたがる監督の下でプレーしていると、自分を完全に見失ってしまいがちなんだ。そうならないためにも、家族の支えが必要だということが言いたいんだよ。妻にはとても感謝している。それと、自信を失わないこと。これもすごく大事なことだね。

来シーズンはカッサーノも入ってくる。だからといって、バティ、トッティ、デルヴェッキオの誰かが放出されるという噂もない。となると、今シーズン以上に出場機会が減る可能性もあるよね?それでも、カペッロは「モンテッラは出さない」と言っているし……これはどういうことなんだろう?

 ―― 僕自身は、カッサーノが入ったからといって、それほど今シーズンと変わるとは思っていないんだ。去年の夏バティがやってきた時も特に恐怖心は抱かなかった。それなのに、なぜカッサーノに恐怖心を抱かなくてはならないんだい?確かにアントニオ(カッサーノ)はいい素質を持っているよ。でも、ローマのような競争の激しいチームで勝ち抜いてこそ初めて、それなりの器と見なされるんだ。現時点では、カッサーノが僕のライバルになるとは思ってないよ。
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