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| 文●アドリアーノ・ジョルジtext by Adriano GIORGI 写真●兼子愼一郎、グエリン・スポルティーヴォ photo by Shin-ichiro KANEKO/GUERIN SPORTIVO 彼は忍耐することを学んだ。そう、辛抱強くなったのだ。彼は、仮に自分のプレーする時間が減ったとしても、勝利の快感を味わうことで自らの欲求を満たす術を学んだ、いや、学びつつある。 バティストゥータがいなかった昨シーズンですら、20回以上も途中交代させられていたヴィンチェンツォ・モンテッラは、バティが加わった今シーズン、自分がどんな役割を演ずる運命にあるかを十分に把握していた。つまり、バティとデルヴェッキオの控えという役割に甘んじなくてはならないという状況を、十分に理解していたのである。彼ほどの実績を持ったカンピオーネがサブの役割に甘んじる……他のカンピオーネだったら、とっくの昔に怒りを爆発させロッカールームに混乱をもたらしていたに違いない。だが、モンテッラはいつやってくるかわからない(もしかしたら永遠にやってこないかもしれない)チャンスに備え、常にコンディションを保ち続けた。長いベンチ生活にも集中力を切らすことなく、来るべき日に備えて自らをコントロールしたのである。 サッカーの神は“額に汗する者”を見捨てなかった。モンテッラをベンチ・ウォーマーに追いやったバティが、幸か不幸か、ウディネで行われたヴィチェンツァ戦で古傷の右膝を痛め、さらにはデルヴェッキオが長いスランプに陥り、モンテッラの存在価値が浮き彫りにされることになった。ローマは快調に勝ち点を積み重ねていた。しかし、バティ不在とデルヴェッキオのゴール欠乏症で勝てるほどセリエAは甘くない。ローマにそっと忍び寄る危機……そんな状況で“救世主”になったのがヴィンチェンツォ・モンテッラだったのである。1試合平均ゴール数では現役選手ナンバーワンを誇るモンテッラの得点能力は、長いベンチ暮らしにもかかわらず錆びついてはいなかった。出番を与えられたモンテッラはゴールを量産し、スクデットに邁進するローマに不可欠のストライカーとなったのである。 |
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