本誌記事 WebCALCiO 2002
サブタイトル

君にとっては初めてのW杯だ。開幕を直前に控えた今の心境は?

トーニ(以下T)― 正確には言い表せないな。幸福感や気分の高まり、快感にも似た緊張感。それに、不安もある。いろんな気持ちが混ぜ合わさった不思議な感じだよ。ただ、今は、いつW杯が始まっても大丈夫だと感じている。準備万端と言ったところかな。サッカー選手にとって、W杯でプレーするというのはキャリア最大の目標なんだからね。早くプレーしたいと思っているよ。

今までにもW杯でプレーすることは考えていたんだろう?

T― 願っていたし、夢見ていたよ。あいにく、その夢が現実に近づいたことはこれまで一度もなかったんだけど(笑)。これまで、僕にとってのW杯はあくまでテレビで見るものだった。自宅で、友達と一緒に、サラミ入りのフォカッチャを食べながら見るものだったんだ。必死になってアッズーリを応援したものさ。ところが、今回は僕がみんなから応援される立場だ。僕自身も驚いているよ。

確かに、君はリッピが代表監督になってから招集されるようになった選手だからね。それでも、カンピオナートでの大活躍で、今やイタリア代表に不可欠な選手と見なされるようになっている。

T― 僕がW杯に出られるようになったのは、多くの人の支えがあったおかげさ。自分自身の意志の強さが重要な要素だったとしてもね。だから、僕を信頼してくれたリッピ監督には感謝しているし、僕のテクニックを向上させてくれたプランデッリ監督にもお礼を言いたい。それに、フィアンセのマルタにも。彼女が精神的な支えになってくれたからこそ、今の僕があると思っている。本当にいろいろな人の協力のおかげで今の僕があるんだ。ただ、コヴェルチャーノの合宿中、リッピのことを特に考えていたことは確かだね。

それはなぜ?

T― 彼はこの数週間、ひどい時期を体験した。彼が代表の監督を辞めることを望んだ人までいたんだよ。僕は声を上げてこう言った。「リッピを辞めさせてどうなるというんだ? 僕の能力に賭けてくれた人を連れ去らないでくれ!」ってね。

君は一連のスキャンダルをどう見ている?

T― 全員を射殺することなんてできやしない。それでも、過ちを犯した者はその罪をあがなうべきだ。ただ、早急な判断で余計な犠牲者が出ることだけは避けてもらいたい。有罪なのか無罪なのかを判断するのは裁判官でなくちゃいけない。もちろん、今回の合宿でも事件のことを仲間内で話したよ。そして、全員がリッピに従うという結論にまとまったんだ。

そんな中、トッティの復帰はアッズーリにとって良いニュースになったね。

T― そう、最高のニュースだよ。フランチェスコは並外れた能力を持ったカンピオーネだからね。当然、素晴らしい大会にしようという大きな意気込みで今回のW杯に臨んでいる。彼がケガを克服してくれたことを誰もが心から喜んでいる。もちろん、僕だってそうさ。何せ彼が背後にいるといないとでは僕にチャンスが回ってくる回数も大違いだから(笑)。トッティのパスを僕らFW陣がゴールに結びつける……そんな筋書きができ上がったと言えるんじゃないかな。

でも、ゲーム感覚を取り戻せるかが懸念されている。

T― 心配する必要はないよ。練習試合の中で感覚を取り戻すはずさ。万全の状態で開幕を迎えられると思っている。

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