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彼は、モルジブの青い海と彼にサインを求める大勢のファンに囲まれてバカンスを過ごしていた。そんな状況の中でも、彼の心には、まだほんの少しだけ“納得いかない”という思いがくすぶっていたはずだ。 ワールドカップ・ドイツ大会終了後、マルコ・マテラッツィは一躍イタリアサッカー界のシンボルとなった。5月までは、インテリスタ以外のファンから忌み嫌われていたあのマテラッツィが、である。モルジブには妻のダニエラと3人の息子、ジャンマルコ、アンドレア、そして、この9月で1歳になるダヴィデと一緒に向かった。家族水入らずのバカンスは、戦場から戻った戦士の“束の間の休息”だ。 そんな静かな日々にFIFAが水を差した。7月20日、ジネディーヌ・ジダンの頭突き事件の裁定が下ったのだ。処分は、ジダンが3試合、マテラッツィが2試合の代表公式戦出場停止というものだった(すでに引退を表明しているジダンについては、3日間の社会奉仕活動が義務づけられた)。この裁定は、ある意味、歴史的なものだ。なぜならリアクションを起こした選手だけでなく、挑発した選手にまでペナルティーが科されたことは、長いサッカー史においておそらく初めてのことだからである。 当初はセンターバックの控えとしてドイツ入りしたマテラッツィだったが、アレッサンドロ・ネスタ負傷後は2ゴールを挙げる活躍で、イタリアの4度目のW杯制覇の立役者となった。束の間の休息を楽しむ中、“アッズーリの異端児”は我々の取材に応じてくれた。 |
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