本誌記事 WebCALCiO 2002
サブタイトル

ピッポ、君は8月に33歳の誕生日を迎えたけど、今シーズンはミランで最も重要なFWとなっている。今の気分はどうだい?

インザーギ(以下I)― もし本当にそうだとしたら光栄だよ。でも、僕は自分がミランのFW陣の中で最高の選手だなんて思っていない。ミランには素晴らしいFWが揃っているからね。それに、長いシーズンのことを考えたら全員が重要な選手になる。カンピオナートだけではなく、もしチャンピオンズリーグやコッパイタリアも順当に勝ち上がったら、僕らは今シーズンも1年で60試合以上、消化しなければならないんだから。

ただし、今シーズンがいつもとは少し違うシーズンになっていることは確かだろう? 昨シーズンまでのエースだったシェフチェンコがチェルシーに移籍し、その代わりにブラジル出身のリカルド・オリヴェイラがやって来た。それに、君自身の状態も1年前とは変わっている。昨夏はまだ足首の故障から復帰したばかりで、首脳陣からはシェヴァ、ジラルディーノ、ヴィエリに次ぐ第4FWと考えられていたんだからね。ところが、今シーズンはミランFW陣の中心となっている。これは君自身の努力の成果なのかい? それとも、この夏のミラン・フロント陣が補強を怠ったからなのだろうか?

I― 君の言いたいことは分かるよ。でも、そういうことをあれこれ考えても仕方がないと思うね。君の言うとおり、1年前の僕はケガから復帰したばかりで、プレーに関しては全くの未知数の状態にあった。実際に、シーズン開幕直前の2カ月間、僕はまだアントワープの砂浜でリハビリをしていたからね。毎日、マルテンス医師からリハビリメニューをもらって、砂の上を走り込んでいたんだ。そう、今とは状況が全く違ったよ。今は体調もいいし、アンチェロッティ監督からも信頼を寄せてもらっている。100パーセントと言ってもいいくらいの状態だよ。クラブからの期待も感じているしね。

それに引き替え、今シーズン、ミランのエースの座を担うものと期待されていたジラは不調を抜け出せないでいる。

I― ジラの存在は大きいよ。彼は将来が楽しみな“ゴールデンボーイ”。現時点でも最高のセンターフォワードだけどね。24歳と言えば、僕がアタランタで24ゴールを挙げてブレイクした年齢。そう、ユーヴェに移籍する1年前のことだよ。僕はあのシーズンの活躍がきっかけとなって、カルチョの第一線でプレーできるようになったんだ。ところがジラは、もっと若い時にパルマでブレイクしている。昨シーズンもミランで17ゴールという素晴らしい成績を残した。つまり、当時の僕よりも彼のほうがずっと先を行っているんだよ。彼は今シーズン、さらに飛躍すると思う。確かに、今は少し難しい時期を迎えて苦しんでいる。僕も彼の成長を助けるために、できる限りのことをしていくつもりさ。

君がロッソネーロのユニフォームに袖を通してから、すでに5シーズンが経過した。ミランでの6シーズン目を迎えた君の目標は? 第3節のアスコリ戦では、ミランの選手としてカンピオナート100試合出場を達成したね。

I― 100試合出場達成はうれしいね。ただ、ケガがなければもっと早い時期に達成できていたんだけど。今シーズンは一つ大きな目標があるんだ。何だか分かるかい? ミランでの通算100ゴールだよ。今シーズンのチャンピオンズリーグ初戦、AEKアテネ戦でのゴールで、僕のミランでの通算ゴール数は75になった。できれば、今シーズン中に100の大台に乗せたいね。もちろん、できればの話だよ。少し欲張りすぎかな(笑)。まあ、気長にやっていくよ。クリスマスまでにどれだけ上乗せできるか、それを見てから考えても遅くないしね。

君はミランに来る前から、すでに実績を残してきたよね。

I― 僕はこれまで本当に素晴らしいサッカー人生を送ってきた。どのチームにもいい思い出があるけど、ユーヴェで過ごした4年間は特に思い出深いものだった。あの4年間で、僕は自分自身を世界にアピールすることができたんだからね。ただ、一つだけ心残りがあるとすれば、ユーヴェ在籍中に何度かミラン入りの話があったのに、それがずっと先延ばしになっていたこと。本当は、もっと早くミランに移籍したかったんだ。あの時に失ってしまった時間を取り戻すためにも、僕はここミランで長く現役を続けたいと思っている。

君とミランとの契約は2009年まで。つまり、36歳までミランのユニフォームを着てプレーする権利を持っているわけだ。まずは、この契約を全うしたいと思っているんだろう?

I― できればね。09年までということは今シーズンを含めて3シーズンあるから、その間にタイトル数を増やしたい。ただし、「ここまでやれればいい」という考えだけは持ちたくないんだ。僕の仕事はチームに一つでも多くのゴールをもたらすこと。足と頭が動く限り、僕は常に相手ゴールに向かって走り続けるつもりだ。


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