文●マッテオ・ダッラ・ヴィーテ
text by Matteo DALLA VITE
写真●兼子愼一郎、グエリン・スポルティーヴォ
photo by Shin-ichiro KANEKO/GUERIN SPORTIVO

生のレントゲン写真――「逆光で見たり、レフ板を当てて見たりもした。そして自分自身に言い聞かせたんだ。さあ再出発だとね。僕が生きてきたサッカーの世界は夢に描いた以上のものだった。サッカーは想像をはるかに超えたものを僕に与えてくれたんだ」

レオナルドがミランとの別れを決断するには時間が必要だった。だが、時間をかけた分、その決断に迷いはない。

「余計なゴシップが生じないよう、また真実が歪められることのないように、シーズン終了3カ月前の時点でミランを出て行くということを公式発表したんだ。今の気持ちは、以前に比べてさみしくなったということもないし、だからといって、自由になった、苦痛から解放されたという感じでもない。一つの愛が終わったみたいなものかな。大きな愛がちょうど終わった瞬間、といった感じなのかもしれない」

レオナルド・ジ・アラウジョ、美しいイタリア語を話すブラジル人である。彼はこれまでにも何度か“別れの宣言”を口にしている。


「確かに僕はミランをやめるという言葉を何度か口にしている。ただ、今回の別れの言葉は最終的なものだよ。僕はシーズンが終了したらミラノから出て行くさ。仮にチームが契約の更新を求めてきても、どんな美辞麗句で説得してきても、僕の気持ちが変わることはない。そのほうがいいんだよ。ちょうど契約も切れるし、僕には素晴らしい時代を経験したという思い出もあるし、それにミランにとってもチームを一新して再建の道を歩むためには好都合なはずだよ。そしてミランは立派に再建されるはずさ。ミランのDNAは決して薄れるものではないんだ」

洗練された物腰、微笑みを絶やさない男、レオナルド。「太陽のように光り輝いている、と言われるんだよ。うれしい表現だよね。ただ、僕の人生がずっと光り輝いていたなんてことはあり得ない。悲しみに打ちひしがれる時もあったし、同じことの繰り返しに拒絶反応を示したこともあったんだ」。
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