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セリエAの若手を取り巻く環境についてはどう? 年々厳しくなっているようにも見えるけど……。 M― その通りだと思う。最大の問題は選手への評価があまりにも早く変わりすぎることだろう。イタリアのマスコミはすごく気まぐれなんだ。1試合良いプレーをしたら「怪物出現!」とすぐに持ち上げる。ところが、次にミスをしたら今度は「何をやっているんだ!」と糾弾する。この国ではそういうことが何年も繰り返されているんだ。イタリアのファンや評論家には「もう少し忍耐力を持って若手のことを見守ってほしい」と言いたい。そして、各チームの監督には「もう少し若手の力を信用してください」、「冒険する勇気を持ってください」とお願いしたいね。 しかし、それはイタリアに限ったことかな? 他国リーグでもそういう風潮はあるように思うけど? M― イタリアは特別だと思うよ。例えば、スペインではイニエスタ(バルセローナ)やフェルナンド・トーレス(アトレティコ・マドリー)といった若手が育ってきている。それは、彼らがまだ半人前の時に監督やファンがその成長を見守り続けたからさ。フランスでは下部組織で若手を育て上げることが一種の美徳になっている。そういう意味で言うと、イタリアの若手育成は随分遅れていると思うな。 少しずつ変わってきた面もあるんじゃないのかな? 今シーズンのセリエAで2位(第22節終了時)のローマは選手の平均年齢がセリエAで一番低いし、その下部組織はここ数年で素晴らしい若手を続々と輩出している。 M― 確かにそうだけど、今のローマが若手育成に重点を置いているのは、クラブの方針というよりも財政難から止むを得なかった点が大きい。言い換えるなら、ローマには他に術がなくて、仕方なく若手育成に力を入れ始めた。それがたまたま良い結果につながっていると考えられるんじゃないかな? ユーヴェについてはどう? カルチョの“老貴婦人”も、今シーズンはかなり積極的に若手を起用している。 M― でも、もし彼らがセリエBに落ちていなかったらどうなっていたことか……。今シーズン、セリエAでスクデット争いをしていたら、果たしてパーロ、マルキージオ、デ・チェーリエといった若手に活躍の機会はあっただろうか? 正直言って僕には疑問が残る。来シーズン、ユーヴェはセリエAに戻ってくるだろう。その時にまだ若手を起用していく勇気があるかどうか見ものだね。僕はユーヴェにそれだけの勇気はないと思っているんだ。もし彼らがこのまま勝ち星を積み上げてセリエAに復帰したら、きっと世界的なカンピオーネをかき集めてくるはずさ。賭けてもいいよ。 君は辛口だね(苦笑)。 M― 辛口とかそういう問題じゃないんだ。後で幻滅しないよう、あまり大きな期待は持ちたくないだけさ。ここイタリアでは本当の意味で若手を重要視しているチームはほとんどないと言って良いだろう。あえて言えば、アタランタ、ウディネーゼ、エンポリ、そして僕がいるフィオレンティーナ、この4チームくらいじゃないかな。 そういう面でも君にとってのフィオレンティーナは居心地の良いチームということかい?
M― フィオレンティーナの平均年齢の低さを見ると、プランデッリとコルヴィーノGMは本当に勇気ある決断をしていると思う。今後、ヴィオラのやり方が他チームの模範となっていくんじゃないかな。その国のサッカーの未来を作るのは、若手選手たちであることを忘れてはいけないよ。今、イタリアの多くのチームが深刻な財政難に直面している。世界中からスーパースターをかき集める時代はもはや終わったと言えるだろう。これからは、“自前のフェノーメノ”を育てていく努力をしていかなければいけないと思う。 君も候補の一人だ。 M― ありがとう(苦笑)。ただ、そういう評価をもらうのはまだ早いよ。僕はまだ勉強中の身だからね。周囲から不可欠な選手と思われるためには、まだまだ練習が必要だと思う。 フィレンツェには、もうすでに「ヴィオラになくてはならない存在」と思っているファンもいるようだ。 M― ありがたいことだよ。ファンから愛されるということは選手にとって本当に大事なことだからね。苦しい時に最後の力をくれるのはファンなんだ。ただ、さっきも言ったけど、僕はまだまだこれからの選手。精神的な強さ、継続性、それからゴール前での冷静さ……まだ学ばなければならないことがたくさんあるんだ。これから、プランデッリの助けを借りながら、少しずつレベルアップしていきたいね。 今シーズンの開幕前、君たちはスポーツ裁判所からマイナス19ポイントのペナルティーを言い渡された。その後、減点はマイナス15まで減らされたものの、序盤戦はかなり苦しい戦いを強いられた。今ようやく降格圏内を脱出し、残留あるいはUEFAカップ出場に向けて光が見え始めてきた。 M― 序盤戦は本当に苦しかったよ。ペナルティーの影響からか、僕らは開幕2連敗を喫してしまった。あそこから盛り返すのは本当に難しかったよ。連敗後に選手みんなで集まって、相手の目を見ながらこう言ったんだ。「冷静さを失わずに頑張ろう」と。最悪の時期が過ぎて正直ホッとしているよ。 ただし、フィレンツェのファンはもっと上を見据えているようだね。UEFAカップどころか、「チャンピオンズリーグを目指せ!」と言っているティフォージもいる。
M― 夢を見るのは自由さ。ただ、僕らはそんな大それたことは考えていないんだ。今の僕らにできることは目の前の1試合を、それがあたかも大きな大会の決勝戦であるかのように戦っていくことだけ。歯を食いしばって、粘っていくしかない。残留を決めた上でどこまでやれるかなんて、少なくとも残り10試合を切ってからだろうね。もちろん、可能性はゼロじゃない。ただ、今はそれについては何も言わないことにするよ。ファンを失望させたくないからね。 君個人の目標は? M― このままコンスタントに試合に出て、フィオレンティーナを危機から助け出したい。そして、U−21欧州選手権で優勝することだね。 2番目は大きな目標だね。 M― もちろん、大変なことは分かっているよ。でも目標は大きく持っていないと。今から死に物狂いでやっていくつもりだけど。 君とともに、イタリアサッカー界の明日を担っていきそうな選手は誰だろう? M― たくさんいるよ。まずはチームメートのポテンツァとパッツィーニ。それから、カリアリのDFカニーニ、インテルのアンドレオッリ。ウディネーゼのサイドバックを務めるモッタやアタランタのFWデフェンディも良い選手だ。問題は彼らのほとんどが控えに甘んじているということ。たまに出場機会をもらっても次の試合ではベンチに連れ戻される日々を過ごしているんだ。さっきも言ったけど、セリエAは若手選手にとって決して居心地の良いリーグではないようだ。 それでは最後に、セリエAの各チームの監督に訴えかけてみてよ。「僕ら若手をもっと使ってください!」という感じで。 M― そうさせてもらうよ。各チームの監督たち、もしあなたのチームの若手選手がミスを犯しても、その理由で2カ月間もメンバーから外すなんていうことは止めてください。次のチャンスをもらったとしても、ミスを怖がって良いプレーができなくなってしまいます。逆効果なんです。どうか長い目で僕ら若手を見守ってください! |
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