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今シーズンに入り、アレッサンドロ・ロジーナは、トリノのティフォージから“ロジナウド”という愛称で呼ばれるようになった。ブラジル人選手を思わせる彼の柔らかいテクニックを見たファンが、語呂合わせとともに思いついたのだろう。並の選手だったら、このニックネームをプレッシャーと感じるはずだ。ところが、ロジーナは違った。彼はトップレベルでプレーするだけの実力と自信を備えている。今シーズン、開幕からここまでちぐはぐな戦いを続けるトリノにあって、ロジーナは際立った活躍を見せてティフォージの希望となっているのだ。 トリノのスター選手となった現在のロジーナは、多くの論争に巻き込まれている。今シーズン開幕直前にジャンニ・デ・ビアージを更迭し、アルベルト・ザッケローニを監督に据えて以来、トリノにまつわる論争の大半が監督人事の話題である。ウルバーノ・カイロ会長は自らが信頼するザッケローニを常に信頼してきた。ところが、その会長の態度は、ロジーナに関わるあるエピソードをきっかけに一変した。第25節のキエーヴォ戦、ザッケローニはロジーナを突然メンバーから外し、スタンド観戦を言い渡したのである。結果は0−3の完敗。この直後から、トリノファンを中心に大論争が巻き起こった。いや、内容はエースを外して負けたザッケローニへの批判一色だったのだから、論争とは呼べないだろう。どれだけ負けてもザッケローニを守ってきたカイロ会長も、この時点で考えを変えた。ザッケローニはロジーナを外したことでクビになったようなものである。 目の前に広がる緑のピッチ上で、ロジーナがパスを受けた。チェックに来た相手選手を巧みに背負いながらゴール方向へと振り向くと、爆発的なドリブルを開始する。小さな弾丸を止めようとDFが前に出るタイミングを見透かしていたかのように、彼はドリブルの角度を変えた。DFを半身かわした瞬間、彼は素早く左足を振り抜いてシュートを放つ。シュートはポストをかすめて外れ、ゴール裏の看板に当たって音を立てた。スタンドがどよめき、ロジーナはきびすを返して中盤へと戻っていく。 168センチの小柄な体格と、キレのあるドリブル、そして背番号10。ロジーナのプレーを見ながら、私はブラジル人選手ではなく、ディエゴ・マラドーナとジャンフランコ・ゾラを思い出していた。
このカラーブリア生まれの23歳のMFが、セリエAで不動のレギュラーとしてプレーするのは、今シーズンが初めてのことだ。そんな選手がこれだけファンからの支持を集め、論争の的になるとは、通常では考えられない。電話口に出たロジーナは、穏やかな口調で語り始めた。「今シーズンが、僕のサッカー人生の中で最良のシーズンの一つになる、そんな予感がしているんだ。セリエAという舞台は、僕を着実に成長させている。もちろん、良いことばかりではなく、悪いことも起こるけどね」 |
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