本誌記事 WebCALCiO 2002
サブタイトル

リッキー、5月23日の決勝戦で、君が最もうれしかったのはどの瞬間だった?

カカー(以下K)─ ピッポの1点目のゴールが決まった瞬間、そしてUEFAのプラティニ会長から優勝カップを受け取るためにメインスタンドの階段を上っていく間かな。それと、試合後に妻のカロリーナからの祝福を受けた時。あと、凱旋帰国してすぐオープンバスに乗って、喜びに沸くミラノをパレードした時も……。最高の瞬間はいくつあったのか分からない。数え上げればキリがないよ。たった1日の間にあれだけ多くの至福の瞬間を味わったのは、生まれて初めての経験だったよ。

試合前、ほとんどの評論家が「ミラン有利」の立場をとっていた。ところが、君たちはそれを認めたくないという様子だった。あれはどうしてだったのかな?

K─ 認めたくなかったわけじゃない。アンチェロッティ監督が前日の記者会見で言っていたように、今のチームに自信を持っていた。僕ら選手も自分たちの力を信じていた。チームのコンディションもすごく良かったしね。今回は、2年前よりずっと調子も良かったし、そのことをみんなが自覚してもいた。だから、アテネには絶対に勝つつもりで乗り込んだんだ。みんな、勝つこと以外は全く考えていなかったと思う。単に縁起を担ぐ意味で、有利であることを認めようとしなかっただけさ。

イスタンブールの苦い思い出が頭をよぎらなかった?

K─ 少なくとも、僕にそういうことは全然なかった。神経質になっていたのは、僕ら選手よりもティフォージのほうじゃなかったのかな。もちろん、恐怖心というのも少しはあったよ。あのイスタンブールでの敗北は、長いミランの歴史の中でも特別なものだったから。

全体のゲームの流れについてはどう思う?

K─ どうしてそんなことを聞くんだい? あまり面白いゲームじゃなかった?(笑)

いや、それなりに楽しめたよ。ただし、マンチェスター・ユナイテッドとの準決勝2試合に比べると、少し物足りない内容だったかな。

K─ うん、確かにそういう面はあったかもしれないね。スペクタクルなシーンは、マンチェスター・U戦より少なかったと思う。ただし、決勝戦というのは得てしてそういうものさ。緊張感も高まるしね。リヴァプール側も、積極的にゴールを狙うというより、僕らの長所を消すようなサッカーをしていた。ただ、さっきも言ったように、ああいう大一番ではそれもある程度仕方がないことだと思う。

確かに、リヴァプールは中盤を固めてきた。それでマンチェスター・U戦の時よりもスペースを見つけるのが難しくなったということだね?

K─ まあ、そういうこと。ただし、そういう戦術を敷いたせいで、リヴァプールも効果的な攻めがあまりできなくなっていた。そんな状況の中、ピッポの先制点が決まった。あれで、リヴァプールは、1トップから2トップにシステムを変えてきたんだ。それ以降は、相手陣内にかなりのスペースができるようになった。僕らの2点目は、そういう状況の中から生まれた。僕は、チーム全体のパフォーマンスにも、自分自身のプレーにもある程度満足している。とにかく、今回の勝利が僕にとって一生忘れられないものになったことだけは確かだね。

カルチョ・スキャンダルの影響で、今シーズンのチャンピオンズリーグは予備予選からのスタートとなった。しかし、最終的には、4年ぶり7回目の欧州制覇を果たした。最大の勝因は何だったと思う?

K─ 勝因は一つではないけれど、やはり、終盤になって個々の選手がコンディションを上げてきたことは大きかったね。クリスマスの中断期間に行ったマルタ島での合宿で、もう一度しっかりと体を鍛えなおすことができた。冬の練習の成果が、春になって出てきた感じだったな。それから、ケガ人の復帰も大きかった。12月の僕らは、いつもレギュラーの4、5人を欠くような状態だった。マルディーニ、ネスタ、カラーゼ、ガットゥーゾ、セルジーニョ……。これだけ主力が抜けると、なかなか思ったようなサッカーはできないよ。ただし、その後、故障者が戻ってきたことで徐々にチーム状態も上がっていった。そして、シーズンの最後にトップの状態になることができたんだ。それから、選手、監督、コーチ、フロントが一体になってミラニスタとしての誇りを守り続けたことも大きかったね。今のミランほど強固な結束を維持しているチームは他にないんじゃないかな。調子が上がらない時にも、全員で逆風に立ち向かっていくような、そういう雰囲気が今のチームにはあるんだよ。

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