本誌記事 WebCALCiO 2002
サブタイトル

サッカーのことに話を戻そうか。パオロ、今シーズンが君にとって最後のシーズンになると考えていいのかな?

M─ ひざを手術してから約5カ月間、僕はたった一人でリハビリを行っていた。その間、本当に多くのことを考えたよ。もちろん、引退についてもね。今回は、本当に最後のシーズンにしようかと考えている。僕自身もそのほうがいいと思うから。だからこそ、横浜で勝利を手にしたいんだ。さっきも言ったけど、ここのところ、日本では3連敗している。日本での通算成績をなんとか3勝3敗のタイにしたいんだ。クラブW杯の2試合のために、僕はこの5カ月間準備を進めてきた。それもすべて、クラブ世界一の称号を取り戻すためさ。もう一度、日本で世界王者になりたい。その夢が今回、絶対に叶うと僕は信じている。

実際には起こらないと思うけど、もしカルロ・アンチェロッティ監督が、戦術上あるいは若手にチャンスを与えたいという理由で君をメンバーから外したらどうする? その時はさすがに、「この大会のために僕は現役をもう1年続けたんだ!」と抗議するだろう?

M─ カルロがもしそういう決定を下したら、一選手である僕はそれに従うだけさ。そうならないように全力を尽くすよ。これから僕がクラブW杯を制覇するために必要な選手だということをピッチ上で証明してみせる。長い現役生活のご褒美として、“お情け”で試合に出場させてもらうのは嫌だからね。あくまで実力で監督に僕の起用を決めさせたい。カルロと僕は、彼が現役の時から一緒に偉大なミランを築き上げてきた仲間。彼の性格は嫌と言うほど知っているよ。彼なら横浜でも、タイトルを獲得するために最も調子の良い11人をピッチに送り出すはず。今の僕は、その11人の中に入れるよう、精一杯努力するしかない。

アンチェロッティ監督は、君の豊富な経験に期待しているんじゃないかな? 実際に、昨シーズンのアテネでのチャンピオンズリーグ決勝でも、彼は若いカラーゼではなく、君をピッチに送り出している。

M─ もしチャンスをもらえたらベストを尽くすよ。いや、持っている以上の力を出さなければいけないだろうな。僕も歳だから(笑)。とにかく、そうやってチームの勝利に貢献できたら最高だ。今回はどうしても勝ちたいんだよ。もし今回負けたら、僕にはもうリベンジする機会はやって来ないだろうから。

今シーズンのチャンピオンズリーグ決勝への出場は、理論上では可能だよね? 昨シーズン、君は僕らに次のことを教えてくれた。ミランというチームに不可能なことはない。たとえシーズンの中盤で“どん底”に落ちたとしても、そこから這い上がっていけるチーム。それがミランなんだということを……。

父チェーザレも63年にミランのキャプテンとしてビッグイヤーを掲げている

M─ 確かに、モスクワでの決勝に進出することも大きな目標となっている。ただ、今は日本での2試合に集中したい。チャンピオンズリーグの決勝はまだ先のことだからね。4年前、PK戦でボカ・ジュニオルスに敗れた後、僕はすぐに「もう一度、必ず横浜に戻ってくる」と誓った。そして、今回そのチャンスが訪れたんだ。もちろん、ボカだけじゃなくて他の大陸の代表にも注意しなければならない。ただし、番狂わせさえ起こらなければ、決勝は今回も僕らとボカの一騎打ちになるはずだ。もっとも、昨シーズンのチャンピオンズリーグ決勝のリヴァプール戦ほど、リベンジの意味合いが強いわけじゃない。05年5月、僕らがリヴァプールに喫した敗北は本当に悪夢のようだったからね。でも、今回もまた、僕らにとっては大きなリベンジのチャンス。巡り合わせというのは、本当に不思議なものだ。

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