ヒデにはローマに残ってほしいんだ。
来年の6月までは友達で、
そしてW杯では敵として
戦えることを願っているよ。
あえて、MVPを挙げるとしたら?

B ―― そんな失礼なこと言えないよ。これはあくまで全員の勝利なんだよ。あえて、全員と言わせてもらうよ。アントニオーリだって、あれだけブーイングを浴びながらも、プロ意識を持って批判に耐えた。サムエルは初めてのセリエAでのプレーに臆することなく見事なプレーを続けた。トンマージは攻守に大活躍だった。トッティとモンテッラには余計な形容詞はいらないだろう。同様に、カフー、カンデラ、ザーゴ、アウダイール、デルヴェッキオ、エメルソンも全員持ち味を発揮した。ん、誰か忘れているかな(笑)。

ナカタを忘れているよ。

B ―― そうだね。ナカタを忘れちゃいけないよね(笑)。ヒデは選手としても人間としても最高の奴さ。カンピオーネはたくさんいるが、わずかな機会しか与えられないのに、その機会に答えを出す選手は少ないもんだよ。ヒデは数少ないカンピオーネの1人なのさ。EU外枠という縛りの中で、時としてスタンドからのゲーム観戦を余儀なくされたが、それでも、黙々と練習に励み、ピッチ上で答えを出した。特に、ユーヴェ戦(第29節)でのゴールはローマを救ってくれた。

ナカタは来シーズンは他のチームでプレーするという噂だけど?

B ―― 噂は耳にしているけど、本当なの? ヒデには是非ともローマに残ってほしいんだよ。来シーズン、ローマには2つの戦いがある。リーグ戦とチャンピオンズリーグさ。選手層の厚さも必要なんだ。ヒデのような選手がいることでローマの戦いは楽になるんだよ。ヒデがローマに残ってくれることを心から願っている。来年の6月までは友達で、そしてW杯では敵として戦うことを願っているんだ。


ローマにとっても、バティにとっても、貴重な戦力の中田英寿。来シーズンは敵として戦うことになるかもしれない

「バティストゥータは2002年W杯も睨んでいる」と言っていいのかな?

B ―― もちろんさ。僕にとっては最後のチャンスとなるだろうからね。W杯で優勝したいさ。それが大変なことはわかっている。でも、トライするつもりだよ。今のアルゼンチンは非常にいいチームに仕上がっている。イタリアとの親善試合でも強さを証明しただろう? W杯でも本命の1つと言えるんじゃないかな。大事な試合でミスをしないことを心がけるつもりだよ。

セリエAの話に戻ろうか?
EU外の枠がリーグ戦真最中に廃止になったことをどう思っている?

B ―― 問題はリーグ戦真最中に突然廃止になったということだろう? EU外なんて枠は最初から設定する必要がなかったんだよ。EU外の枠が消えたということには納得している。選手は全員平等なんだから当然の措置だよ。

パスポート偽造に関しては?

B ―― これはデリケートな問題だよ。現在、裁判所で審議中のことだから、あえて何も言いたくないな。僕はいつかこういうことが起こるという予感がしてた。だから、僕自身、あえて、イタリアのパスポートを申請しなかったんだ。


優勝を決めた最終戦でダメ押しとなる3点目を決めたバティストゥータ。今シーズンを“バティゴール”で締めくくった
ローマのスクデットの要因は強大な攻撃力にある、と言う人が多いが、君はどう思っている?

B ―― ローマの攻撃陣が強力だったことは認めるよ。ただ、さっきも言ったように、スクデットを勝ち獲ったのは全員の力さ。アントニオーリから最後の登録選手まで全員の勝利だと思っている。チームの団結心というのは、特に、控えの選手やスタンドで観戦する選手の協力的姿勢があって成り立っているんだ。彼らがメンバーから外されるたびにトラブルを引き起こしていたら、チームとして機能しなくなるからね。

もう、憧れのチャンピオンズリーグのことで頭がいっぱいなんじゃない?

B ―― いや、まだそこまではいっていないよ。今はバカンスのことを考えているさ。ハードでストレスのたまるシーズンだったからね。それに、来シーズンはもっと厳しくなりそうだ。長年プレーしているから、もちろん、ストレスとか緊張感にどう対処すべきかはわかっているつもりだよ。だが、少しは息抜きも必要だからね。家庭サービスもしなくちゃ(笑)。それが、来シーズンへのエネルギーになるのさ。
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