ファン・バステンとはプレースタイルが
違うし、今の段階で
比べるべきではないと思います。
ミランに移籍して2年。
君自身はすぐ結果を出したけれど、チームはそうではなかったね。
一昨シーズンは3位、昨シーズンはUEFAカップ出場資格を得ただけ。
これまでの2シーズンを比べてみてどう思う?

シェフチェンコ(以下S) ―― 2シーズンとも僕は多くのゴールを決めました。でもチームとしては、スクデットとチャンピオンズリーグを狙ったんですが駄目でした。昨シーズンは、ミランにとって非常に厳しいものでした。ケガ人が続出したこともあり6位という結果に終わってしまいました。ただ、自分にとっては最高の2シーズンだったと思います。いいプレーができたし、たくさん得点しましたからね。そういう意味では満足しています。

ミランに来る前、君には多くのクラブからオファーが届いていたよね。
マンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリー、バイエルン・ミュンヘンも君を欲しがっていた。 なぜミランを選んだんだい?

S ―― ミランが偉大なクラブだからです。まずミランのフロントと話したのですが、会長やガッリアーニ副会長とはとても意見が合いました。それで、ミラネッロに来てみて、ここが気に入ったので契約したのです。

イタリアに来てみて、何か問題はあった?

S ―― 小さな問題はありました。まず、イタリア語がひと言も話せなかったことです。でも、それは少しずつ解消していきました。僕には「言葉を話したい」、「いいプレーを見せたい」という強い思いがあったので、その気持ちが役立ったと思います。とにかくいいプレーを見せて、イタリアでの生活に溶け込むことを心がけました。

 
君はすぐにチームに溶け込んだよね。 
昨年、セリエAデビューとなったレッチェ戦でもいきなりゴールを決めたんだからね。 
誰が君を支えてくれたの?

S ―― チームメイトには元気づけられましたよ。それに、僕自身がチームに溶け込もうとしたことが大きかったと思います。ザッケローニ監督の戦術に合わせるのは大変でしたが、チームメイトは親切だったし、いろいろ助けてもらいました。

君がミランファンにとって“神聖な”存在になったのは、昨年オリンピコで戦ったラツィオ戦(4−4)だと思うんだが、君はハットトリックを決めたね。 あの試合のことは覚えている?

S ―― あの試合の前半は完全にラツィオのペースで、流れはミランにありませんでした。1−3で負けていて、前半残りわずか数分のところで、僕がゴールを決めたんです。あの時は「とにかくプレーをしたい」というすごく強い気持ちが湧いてきたんです。そういう気持ちを抱くことはよくありますが、コンディションが整わないことも多い。でも、あの時のコンディションは上々でした。神様がプレーさせてくれたみたいにミスをしなかったし、試合もいい結果に終わりました。そして、僕はファインゴールを3本決めました。そのうち1本はPKでしたが、ああいった試合ではPKも難しいものです。

あの試合、君と2トップを組んだ選手とのコンビネーションも素晴らしかったね。

S ―― 僕は昔からファンだったんです。

ジョージ・ウェアだね?

S ―― そうです。すごい選手ですよ。僕は以前から大ファンでした。彼のプレースタイルが好きだったんです。チームのためにプレーをして、チームが低迷している時でも、1人でゴールを決められる選手です。ジョージとは1年間しか一緒にプレーできませんでしたが、人間としても本当に魅力的な人でした。考え方というか、FWとしてどんなプレーをすべきかを教えてくれました。

その後、ウェアはミランを去ってしまった。 
監督と意見が合わなかったため、クラブが彼の放出を決定したわけだけれど、納得できない人は多かった。 でも、ここ2年、ミランは「もしウェアがいれば……」と思うことが多かったんじゃないかな?

S ―― そうですね。ジョージのように経験豊富な選手が、チームにもたらすものは大きいと思います。

ウェア以外では、ピッチ内外でどの選手といいコンビが組めたと思う?

S ―― アルベルティーニかな。彼は僕のプレー、僕が何を望んでいるかをわかってくれています。それからレオナルドですね。彼とは話が合うし、いい人だし、もちろん選手としても一流です。レオは真面目で、優れたプレーヤーですよ。

君はミランの偉大なるセンターフォワードの伝統を受け継いでいるよね。 
1950年代、60年代の例を出すまでもなく、80年代、90年代には何よりもファン・バステンがいて、ウェアがいた。
そして今、シェフチェンコがいる。
君はファン・バステンとプレーしたことはないけれど、彼についてどう思う? 

S ―― スーパースターであり、素晴らしい個性があると思います。試合の中でチャンスを作り、見事なゴールを生み出すことのできる力の持ち主です。プレーにインテリジェンスを感じますね。

君は自分で彼に似ていると思う?
ファン・バステンの後継者だと思うことはある?

S ―― いいえ、そうは思いません。プレースタイルが違うし、似てはいませんよ。今の段階で彼みたいな偉大な選手と比べるべきではないと思います。

確かに、君のキャリアはまだこれからだし、引退する時に評価すればいいということだね。 これから君が何を勝ち獲り、何を成し遂げるかはっきりしてからだね。

S ―― そうです。
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