パルマは居心地がいい
ただ、サッカー選手としては
物足りない面もあるかな


パルマで7シーズン目を迎えたカンナヴァーロ。パルマの“最後の砦”と言われている彼の去就は、常に注目の的だ
カンナヴァーロ(以下C) ―― 先日のインテル戦におけるトルドへの“疑惑のファウル”の後、マテラッツィに言われたんだ。「お前はやっぱりナポレターノだな」って。それで僕が嫌な気持ちになったかって?その逆さ。マルコは僕をけなすためにそう言ったんじゃない。そう言って僕のことを誉めたんだよ。つまり……。

つまり?

C ―― 僕らナポレターノは、他の人より、抜け目なくずる賢いってことさ。多分、ナポレターノ以外の人には嫌に思える時があるかもしれないけど……でもそうなんだよな。

じゃあ、あのトルドに対する行為はファウルじゃなかったと?

C ―― (微笑んで)あんまり新聞を読んでいないからわからないけど、とにかく彼は、僕の発言に不快感を持ったらしいね。でも、僕はただ普通にジャンプしただけさ。両手を広げたのは、単に勢いをつけるためだよ。結果的に妨害したのかもしれないけど、別にそうしようと思ってやったわけじゃなかったんだ。むしろその後、僕の上にのしかかってきたのは彼のほうだよ。

なるほどね。わかった、この話はこれぐらいにしよう。ところで君は自分を“うまい選手”だと思ってる、それとも“ずる賢い選手”だと思ってる?

C ―― もちろん、“うまい選手”でありたいね。ずる賢いばかりでは、そう長くはやっていけないよ。ずる賢さというのは、ピッチの上ではなく、他のところで使ったほうがいいと思っている。

他のところって?

C ―― 日常生活の中でだよ。生きていくための知恵としてね。

ところで、パルマにいるメリットというと?

C ―― 静かにゆったりと暮らせることかな。パルマでは、気軽に家族とスーパーに買い物に行ったり、毎晩レストランに行ったりできる。一般市民と同じような生活ができるんだ。パルマに住むメリットは大きいよ。すごく住みやすいところだからね。

では、デメリットは?

C ―― サッカー選手としては……物足りない面もあるな。

ずばり“スクデット”のこと?

C ―― ちょっと待って。まずは「おとなしすぎる、冷たすぎる」なんて言われている、パルマのティフォージのことから話すよ。彼らは、限度というものをきちんとわきまえているんだ。ただ逆に、彼らからの“後押し”ということを考えると、サン・シーロやサン・パオロの観客には負けていると言わざるを得ない。

もう少し詳しく説明してくれるかな?

C ―― つまり、大きなスタジアム特有のあの大歓声がない。静かな環境に慣れ、そうした中で集中力を高めることは意外に難しいものなんだよ。

もっと大きな“野望”については?

C ―― スクデットのことを言いたいのかい?そう、かつてはパルマもスクデットを狙えるような強力なチームだった。でも結局、スクデットには手が届かなかったのさ。

それは“誰の”時のパルマのこと?

C ―― 誰って、僕ら全員のだよ。マレザーニが監督になった1年目(注:98−99シーズン)のパルマのことさ。ずば抜けたチームだったよ。パワーもあったし、ずる賢さもスタミナも持ち合わせたチームだった。スクデットに限りなく近づいたシーズンだったんだ。でも、結果的にチャンスを逃してしまったということは、やっぱり何かが足りなかったということさ。

何かが壊れちゃった?

C ―― 今になって、やっとあのチームがとてつもなくすごいチームだったってことがわかったよ。当時は僕も含めて、みんながまだ若すぎたのかもしれない。何かが壊れた?僕にもなぜ壊れちゃったのかわからないな。あの頃はまだタンツィ・ファミリーも大きな情熱を持っていたし……ただその後、チーム内の歯車がずれてしまったんだ。よく起こることだとは思うけど……。

マレザーニが、君の弟のパオロを自分のチーム(ヴェローナ)に呼び寄せるために、君を巻きこんだっていうのは本当かい?

C ―― そういう風に思われたことは心外だよ。僕はパオロのことについてマレザーニと話したこともないし、ましてや彼に「弟を使ってくれ」と頼んだわけでもない。ただ、弟には一言、こう言ったんだ。「ヴェローナに行くのはやめたほうがいい」ってね。だって、マレザーニはパルマで彼をあまり使わなかっただろう?同じことがヴェローナでも起こるんじゃないかと思ったんだよ。パオロがパルマに移籍する時だって僕は反対していた。だって、どうなるか本当にわからなかったからね。それなのに……。

誤解があった?

C ―― 誤解と言うか、別の問題だよ。マレザーニはこうも言っていた。「チームの全員から裏切られた」って。それはおかしいよ。僕らは首脳陣に呼ばれて、「マレザーニとはうまくいっているか?」って聞かれた時、「すべてOKです。彼とはうまくいってます」って答えていたんだよ。もしそうした行為を裏切りと呼ぶなら、僕らは彼を裏切ったことになるだろうけど……。
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