今シーズン、セリエAに旋風を巻き起こしたアタランタ。
その中でも、中盤の底からチームを操る20歳の若者、マッシモ・ドナーティに、
イタリアサッカー界の熱い視線が集まっている。
来シーズンは、おそらくミランで、
そして近いうちにアッズーリでプレーすることは間違いない。
ドナーティの未来は、希望に満ちあふれている。

文●マッテオ・ダッラ・ヴィーテ text by Matteo DALLA VITE
写真●グエリン・スポルティーヴォ
photo by GUERIN SPORTIVO

「僕が幸せかどうか聞いてよ!」と彼は言う。だが、私はそんなことを聞くつもりはない。彼が幸せかどうかなんて見ればわかることだ。マッシモ・ドナーティは夢を実現したのだ。

「8歳の時だったよ。テレビの取材が来るって言うんで学校中が大騒ぎになったんだ。フリウリのTV局のレポーターが僕の学校に来たんだよ。ウディネから20kmほどのセデリアーノという町に住む子供たちが、どのように生活し、何を考えているのかという取材だったんだ。質問されたクラスメイトは、みんなセデリアーノの町のことを褒めたさ。誰ひとりとして町の悪口を言うヤツはいなかったんだ。そして、僕にマイクがまわって来た。そして、僕は正直に言ったんだ。『僕は村を出て行きたいんだ。大きくなったらサッカー選手になるんだから』ってね」

か細い声、エクストラ・ラージの体、ドナーティはもうすぐ20歳になろうとしている。ドナーティは決断した。何をすべきなのか、何について話すべきなのか、自分のストーリーをどう語るべきか……。黒く長い髪、幅の広い大きな目、彼は話し始めた。
「ロッカールームでどんな話をしているか知っている? 相手チームのことを話すんだよ。例えば、『バティがプレーできなければいいな』とか、『シェフチェンコが出場停止になってくれれば助かるな』とか、『ヴィエリの調子が良くなければいいな』とか、そんな話をよくするんだ。ただ、それは間違っていると思うんだ。相手の選手にもベストのコンディションでゲームに臨んでもらうべきだと思うんだ。スペクタクルなゲームを観客に見せたいんだろう? 刺激的なゲームを見せたいんだろう? だったら、お互いにベストコンディションで戦うべきだと思うんだ。何が大事って、恐怖感を持たないことさ。襲いかかってくる強い相手をなぎ倒せば、それが最高だろう? ゲームを支配するつもりでピッチに上がるべきなんだ。守る姿勢でピッチに上がるべきではないと思うんだ。僕らには3つ誇れることがある。チーム内に助け合う精神があること、チーム内で互いに尊敬し合っているということ、そして、互いに信じ合っているということさ」
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