テリムは
チームのために、
僕ら選手は彼のためにね

ルイ、以前はいつもバティストゥータがいたよね。

ルイ・コスタ(以下R) ―― そう、チームの最も大切な部分としてね。でもよかったのは、彼がいなくてもうまくやっていけるってことがわかったことなんだ。もちろん彼を忘れるってことじゃなくね。ガブリエル(バティストゥータ)は今でもいい友だちだよ。

君たち2人のうち、どちらがいい選択をしたと思う?

R ―― 両方が同じようにいい選択をしたん じゃないかな。バティは、スクデットを狙えるチームを求めて移籍して、希望どおりスクデットを手にしようとしているし、僕はフィオレンティーナが新しく生まれ変わるのを見たくて、ここに残って、今まさにそれを目の当たりにしているわけだからね。

「ルイは、バティがいなくなってからのほうが凄い」なんて言われてるけど。

R ―― それって心外だね。まるで前がダメ だったって言われてるみたいだし、なんだか僕らの友情にケチをつけられてるって気分がするから。

「ルイの方が、バティより、協調性がある人間だ」って言われてるよ。

R ―― 僕とバティは、それぞれまったく違う性格の持ち主だよ。ただそのことで、僕らの関係が断ち切れるなんてことはなかった。僕が彼のためにプレーすることもあったし、もちろん彼が僕のためにプレーしてくれることもあったしね。2人ともチームの勝利のためにプレーしていたわけだから。バティと僕の性格がかなり違うことも事実だよ。

バティが去って、ロッカールームの雰囲気がよくなったって噂があるけど、本当かい?

R ―― まさか……ガブリエルはそんな悪い奴じゃないよ。テリム監督が来た時にも、そんな噂があったよね。彼は頑固者で誰彼かまわず人にくってかかるって。でも実際の彼は人間的で、とてもいい人物だよ。

テリムと君との関係についてはどうだい? 
良好だって噂だけど……。

R ―― いい感じだと思うよ。というか、そう願いたいね。チームに来てすぐ、彼は僕を信頼してくれたしね。僕も彼の考え方をすんなりと受け入れたんだ。同じ外国人として、困難に立ち向かってチームを変革し、再出発しなくちゃいけないという考え方にね。

君たち2人が手本となり、チームに激しいサッカーが戻ってきたよね。

R ―― そうだね。お互い助け合ったし。テリムはチームのために、僕ら選手は彼のためにね。お互いに助け合ったという面ではいい手本になったのかもね。

ところで、テリムは一体、今まで何回、更迭されそうになったんだい?

R ―― そんなこと知らないよ。だいたいそれは僕にする質問じゃないでしょ。僕はフィオレンティーナのGMじゃないからね。ただ、もし、チームが本当に彼を解任したいのなら、もうとっくにやっていると思うよ。でも実際には……見てのとおりさ。

君たち選手は、テリムの味方なの?

R ―― テリムのサッカーに対するビジョンは本物だよ。それをフロントに理解してもらおうと思ったさ。チームが軌道に乗れなかった序盤戦、僕らはファンにも訴えたよ。テリムが人間としても監督としても素晴らしい人物だってことをね。



テリムのサッカーって、どんなサッカー?


R ―― 攻撃性とソツのなさを兼ね備えた、すごく知的なサッカーだよ。

その中で、君のサッカーも変わったのかな?

R ―― そうだね。日々、進歩してると思う。最近は、テリムが自由にやらせてくれるおかげで、ゴールも決めることができるし。今では、「もうこれぐらいでいいだろ」なんて思ったりしなくなったね。むしろ、ほんのちょっとしたミスなんかで、頭にくることが多くなったくらいだよ。日々進歩しようと努めているからかもね。

君につけられる形容詞はいいものばかりだよね。協調性がある、とか天才的だとか……。これほどみんなに愛されてる君にも欠点はあるのかな?

R ―― かなり怒りっぽいところかな。例えば、偽善者ぶった奴なんかには容赦しないよ。

そういえば、この間も君は、“容赦なく”言い 放ってたね。「僕は一生、バロン・ドールをとれないだろう」って。それはどうして?

R ―― 僕は、自分をある程度、分別のある人間だと思ってる。自分がどれほどのものかもわかっているつもりだよ。それと同時に他のプレーヤーたちのこともちゃんと見てるよ。明らかに僕よりも優れた選手は何人もいるし。

チームの問題もあるんじゃない?

R ―― 確かにチームが勝てなきゃ、(バロン・ドールをとるのは)難しいよね。でもいいんだよ。だからこそ、僕はフィレンツェに残ったってのもあるんだし。お決まりのストーリーをひっくり返してやりたい気持ちがあるからね。
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