| |
![]() |
| 数カ月前まではベンチでくすぶっていた。「奴はもう終わった」とささやく連中もいた。 ところが、フランチェスコ・ココは、今や、ミランどころか、 アッズーリの堂々たる左サイドの顔である。 この短期間にいったい何が起こったのか? 自らのシンデレラ・ストーリーを語り始めたココの表情は、数カ月前と打って変わって、 喜びと自信に満ちあふれている。
シチリア島カターニャ出身の23歳。ミランの左サイドのレギュラーポジションを獲得し、さらに誰も予想しなかったアッズーリへと大抜擢されたココにとって、この半年は夢のような瞬間の連続であった。 ミランの下部組織でひと際目立った存在だった彼の将来は約束されたも同然だった。「やがて、マルディーニの後継者としてミランの左サイドを任される器」と関係者の高い評価を受け、期待は膨らむ一方だった。1997−98シーズン、ミランの首脳陣は実戦経験を積ませるためにココをヴィチェンツァにレンタルする。ココの才能はここで大きく花開く……はずだった。しかし、ヴィチェンツァでは20試合に出場したものの周囲が納得するようなプレーを見せることができず、翌シーズンは再びミランでのベンチ暮らし。そして昨シーズン、再度、出場機会を求めてトリノでのレンタル生活を試みたが、モンドニコ監督との確執、さらにケガなどで満足なシーズンを送ることはできなかった。 「未来の星、ココは挫折してしまうのか?」、多くのファンがココの将来に疑問を持ち始めていた。しかし、カルチョの女神はココを見捨てはしなかった。 サッカーの世界では、長年かけてできなかったことが、ある一瞬に可能になってしまうことが多々ある。長い間、伸び悩んでいたココの類い稀なる才能が、7月から9月にかけてのたった2カ月間で、一気に開花したのである。今シーズンの夏のキャンプ開始時点で、ココはミランの左アウトサイドとして3番目の存在に過ぎなかった。しかし、ココはザッケローニの信用を勝ち取っただけでなく、トラパットーニ代表監督の信頼まで獲得してしまったのである。 |
| 1 / 5 |