代表でプレーするってことは、
金なんかに替えられないことなんだ。
オレにとって 最大の名誉なんだよ

この40年間の人生で君が最も誇りにしていることは?

 ―― アルゼンチン代表のユニフォームを身に付けたことだな。代表のシャツに匹敵する ものはないよ。オレはいろいろなチームでプレーして数十億円稼いだ。でもな、どんなに金を積んでも代表のシャツだけは買うことはできない。代表でプレーするってことは、金なんかに替えられないことなんだ。オレにとって最大の名誉なんだよ。代表のシャツを身に付けると疲れなんて感じないものなんだ。国を代表してプレーするということはそれくらい特別なことなんだよ。オレだけじゃなく、他の選手もそう感じているはずさ。

でも、君に金をくれたのは国ではなくクラブだっただろう?

 ―― そうさ。確かにオレはクラブから金をもらってた。とてつもない額だって? それならオレのほうから質問させてもらうよ。マラドーナのおかげでいったい奴らがいくら稼いだと思っているんだ? オレは40年間、ボールを追いかけて世界中を回ってたんだ。奴らだって、それを見ながら、たんまり稼いでいるじゃないか!

彼らの金儲けの道具になったと言いたいの?

 ―― オレだけじゃない。今じゃ世界中のサッカー選手が利用されているよ。だからこそ、今、オレはサッカー選手の権利のために戦っているんだ。世界中のトップクラスの選手は全員、オレの考えに賛同してくれている。だからオレは最後の最後までこの戦いを続けるつもりさ。選手の権利が正当に認められるまでは戦いを続けるつもりだよ。クラブはこれまで選手を利用してきたけど、もう十分だろう。サッカー界のメカニズム自体が崩壊しつつあるんだから。だからといって、この責任をクラブの会長連中に押しつけるつもりはないぜ。オレたち選手だって悪かった面もある。でも、もっと抵抗すべきだったんだ。オレたち選手がもっと団結していれば、クラブ側の勝手なマネは阻めたはずなんだ。今からでも遅くない。選手は団結して権力に歯向かうべきなんだよ。

ということは、サッカー界は腐っている、とでも言いたいの?

 ―― 腐っているとは言わない。部分的な修正が必要だって言っているんだ。例えば、W杯にしてもそう。W杯ではべらぼうな金が動く。でも、選手側が手にするのは、たった1%だぜ。それに最近じゃ、すべてのゲームは会議室で決まってしまう。政治力がすべてなんだよ。選手たちにはどうしようもできない。どのチームが決勝に進むなんてことは大会前にわかっているんだ。レフェリーを管理しておけば、FIFAが望む決勝戦になるんだよ。フランス大会だってそう。初めから、決勝はフランスvsブラジルになるって決まっていたんだ。その通りになっただろ? フランス大会はその点では最低だったな。操られた大会だった、ということさ。
3 / 5