本誌記事 WebCALCiO 2002

僕とマーティンス

バ(オバフェミ・マーティンスの愛称)とは大の仲良しさ。 お互いのプレースタイルのことを完璧に理解しているから、試合の時は、互いの位置をいちいち確認しなくても大丈夫。 彼の動きはすべて僕の頭の中に入っている。 それから、彼とは歳も近いこともあって、よく一緒に遊びに出かけたりもするんだよ。 そう、ピッチの外でも親友ってことさ。 でも、ピッチ上でコンビを組む時にも、仲の良さはプラスに働いていると思うよ。 オバは本当にいいヤツさ。 冗談が大好きで明るくて……インテルに来たばかりの頃はすごくシャイだったんだけどね。 それでも、すぐにチームに溶け込んで、僕たちは最高の友人になったんだ。
彼とは音楽の趣味も合うんだ。 2人ともアメリカのヒップホップが大好きでね。 最近僕らが狂っているのは……「50cents」と「Snoop Dog」かな。 実は、オバとは映画の趣味もピッタリなんだよ。 僕は、アクション超大作と言われるような映画が大好きなんだけど、彼も全く同じなんだ。 ただし、アニメは2人とも苦手。 今のアニメは子供だけでなく大人も楽しめる物が多いことは分かっているけど……。

それでも、最近は映画に行くこともめっきり少なくなっちゃったよ。試合、合宿、遠征……その間、僕らに与えられる自由時間は本当に少ないものになってしまう。僕らがどこへ行くにもポータブルDVDプレーヤーを持ち歩いているのは、そういう理由があるからさ。


僕とゴール

アドリアーノ
激しい当たりにも動じない強靭なフィジカルと柔らかなボールコントロール技術を兼ね備えており、ゴール感覚も抜群。左足のパワーには絶対の自信を持っており、迫力あるシュートでゴールを量産する。7歳からフラメンゴの下部組織でプレーしていたアドリアーノがインテルに加入したのは01年夏のこと。当初は経験不足で出番を与えられなかったアドリアーノだが、マンチーニ監督率いるフィオレンティーナにレンタル移籍して頭角を現し、02年からプレーしたパルマでブレイク。この頃からブラジル代表にも定着し、現在はセレソンの主軸へと成長した。世界最高のFWの一人と評価されているが、まだ23歳。最近はチームプレーの面での向上が顕著である。

白い映画やDVDは、サッカーのことを忘れて日頃のストレスを解消するのに役に立ってくれる。残念ながら、イタリアではサッカーに関するすべてのことがあまりに深刻に受け止められてしまうから、僕らにかかるストレスはかなりのものだ。これは、イタリアサッカーの良くない部分の一つだと思う。例えば、僕が数試合ゴールを決められなかったとする。そうすると、すぐに大騒ぎになってしまうんだ。なぜアドリアーノはゴールから見放されたのか、アドリアーノに何が起こったのか、アドリアーノは疲れている、アドリアーノはもうゴールできない、アドリアーノは深刻な危機に悩まされている、アドリアーノは終わった……ってね。ほんの数試合の間に、ありとあらゆる議論が巻き起こるんだ。そうした騒動に対する心の準備がちゃんとできていないと、普通の人は頭がおかしくなってしまうんじゃないかな。もちろん、それがカルチョの一部であることも分かっているし、どんなことを言われたって、それは甘んじて受け入れるつもりだよ。しかし、もう少しバランスのとれた批判の仕方があると思うね。

FWはゴールを決めなければ批判される。コンディションが悪かったり、ゴール前で硬くなってしまったり、たまたま不運が重なったり、あるいは相手GKがすごくツイてるとか……得点を挙げられない理由はいくらだってあるんだ。そうしたさまざまな要素が混ざり合って、一人の選手に批判が集中する状況が作り出されてしまうんだと思う。

しかし、すべてのことには始まりがあり、終わりもある。出口のないトンネルは存在しないんだ。そんな時にできる唯一のこと、それは落ち着いて終わりを待つことだけ。パニックに陥ったり、批判や論争に過剰に反応しちゃいけないんだ。またゴールを決めることがでれば、それまでの批判はすべて称賛へと変わるはずだから。

不幸というのは重なるものでね。僕がゴールから遠ざかってた時期のウディネーゼ戦(第8節)で、僕は肩を痛めてしまった。あの日は本当に残念だったよ。試合前から、ゴールを決められるって予感が何となくしていたのに……。ウディネーゼ戦までの1週間、すごく充実した練習ができていたから、気合も入っていたのにね。ところが、前半30分、相手DFと接触して転んだ時に右肩を脱臼してしまったんだよ。最初は痛みがひどくて、とんでもない大けがを負ったんじゃないかと心配したものさ。しかし、その後の検査で比較的軽症だと分かって安心したよ。完治までにそんなに長くはかからないはずさ。

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