バロン・ドールの夢
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アドリアーノ
激しい当たりにも動じない強靭なフィジカルと柔らかなボールコントロール技術を兼ね備えており、ゴール感覚も抜群。左足のパワーには絶対の自信を持っており、迫力あるシュートでゴールを量産する。7歳からフラメンゴの下部組織でプレーしていたアドリアーノがインテルに加入したのは01年夏のこと。当初は経験不足で出番を与えられなかったアドリアーノだが、マンチーニ監督率いるフィオレンティーナにレンタル移籍して頭角を現し、02年からプレーしたパルマでブレイク。この頃からブラジル代表にも定着し、現在はセレソンの主軸へと成長した。世界最高のFWの一人と評価されているが、まだ23歳。最近はチームプレーの面での向上が顕著である。 |
今 年のバロン・ドールは「誰が考えてもロナウジーニョで決まり」という感じだったね。妥当な結果だと思うよ。僕にとっての彼は心の優しい友人だけど、サッカー選手としての彼は真の怪物だからね。もちろん、僕だってバロン・ドールを受賞したいと思っている。でも、今年は無理だよ。今年は余計なことが多すぎた。でも、来年はきっとあのトロフィーをもらう、そんな気持ちで頑張るよ。とにかく、ロナウジーニョとは盛大なフェスタをするつもりなんだ。実際、今年の彼はバロン・ドールにふさわしい活躍をした。“楽しいサッカー”だけを目指して選手を作るとしたら、まさに彼がその理想の選手だよ。彼は観衆を楽しませるだけでなく、自分自身が楽しむことを考えてピッチに上がっている。彼は、バルセローナというビッグクラブでプレーしていながら、ヨーロッパの選手が持つ“勝利至上主義”のメンタリティーに縛られていない。「勝利よりも楽しむことが大事」。それこそまさに、ブラジルサッカーの真髄だよ。僕ももともとは同じ考えなんだ。でも、イタリアに来て少し変わったかな。今は、「勝利のほうが大事」と思うことも多いよ。
イタリア生活の長所と短所
イ タリアで暮らし始めてからもう4年以上が経つ。今はなんだか、自分が少しイタリア人になったような気分だね。とにかく、この国の居心地は最高だよ。やはり、ブラジルと同じで、人々がものすごく明るいところが良いんだろうね。ある程度、いい加減なところも良い。人生におけるすべてをまじめにとらえていると疲れてしまうからさ。それから、イタリア料理も抜群だ。もっとも、ウチのおふくろが作るフェジョアーダ(ブラジル名物の豆の煮込み料理)には、どんな料理もかなわないけれどね。それでも、イタリアのパスタは本当においしいね。インテルのシェフは、素晴らしく腕がいいんだ。彼の作るハンバーガーは本当にうまいよ。素材も良いんだろうけど、彼の料理は今やすっかり僕のお気に入りなんだ。その他、イタリアで好きなものというと……今住んでいるコモ湖畔の環境を挙げるべきだろうな。確かに冬は、霧が出たり曇りがちだったりして少し寂しいんだけど、春と夏の風景は本当に素晴らしいよ。湖と山の綺麗な色合いを見ていると、なんだかロマンチックな気分になって、思わずため息が出ることもあるよ。
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| 「イタリアの寒さはきつい」と漏らしたアドリアーノ。実際、今年は11月下旬からミラノは寒波に襲われ、ピネティーナの練習グラウンドは雪で覆われた |
ただし、イタリアには嫌なところだってある。まずは、冬の寒さ。北部は気温もかなり下がるから、僕のような生粋のブラジル人にとっては相当きついんだ。それから、僕のプライベートを根こそぎのぞこうとするパパラッツィの存在も好きじゃない。この前、僕のフィアンセが一人でブラジルに帰国した時のことを覚えているだろう? 彼女は軽いホームシックになっていたから、両親に会うために里帰りしたんだ。そうしたら、一部のテレビと新聞が「アドリアーノとフィアンセが破局!」って騒ぎ出した。「アドリアーノの調子が悪いのは、恋の病が原因」だってさ(笑)。どこから出てきた話なんだろうね? でも、ここでは一事が万事こんな感じなんだ。だいたい、みんな僕のプライベートに興味なんてあるのかな? 自分が“普通の青年”じゃないことは分かっているよ。だから、マスコミに取り上げられるのは仕方がないと思っている。でも、どうせなら、ゴールやプレーのことで騒がれたいよ。サッカーのことについての批判なら僕は甘んじて受ける。でも、僕がプライベートで何をしようと、それは僕の勝手だろう? まあ、こういうことが起こるのはイタリアだけじゃない。プライバシーの侵害は、世界中にはびこっている“悪習”なんだけどね。
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