本誌記事 WebCALCiO 2002

ユーヴェ戦のFKがなぜ無効なのか分からなかった
あの幻のゴールから、すべてがうまくいかなくなった

アドリアーノ、調子はどうだい?

アドリアーノ(以下A)― 良くはないね。僕にとって、この1カ月は、決して愉快なものじゃなかった。それでも、ここに来て少しは落ち着いてきたんだ。そうならないといけない、と言うべきかな。そうじゃないと、いつまでたってもこの苦境から抜け出せないから。

順を追って話していこうか。体調に問題はないの?

A― 体調は良いんだよ。年が変わってからも僕はずっと好調を維持している。僕の体力データをチェックしたトレーナーも、「問題ない」と言ってくれている。試合と試合の間の回復にも問題はないし、ダッシュ力も衰えていない。と言うより、自分の調子のことは、ストップウォッチやコンピューターの数字を見るまでもなく、僕自身が一番分かっているものなのさ。つまり、体調面では全く問題がないんだ。ケガや痛みもないし、足も僕が思ったように動いてくれる。もちろん、100パーセントってわけじゃない。でも、少なくとも80パーセント以上のコンディションは維持できているように思うんだけど……。

つまり、問題は精神的なものだと?

A― そうとしか考えられない。ただし、もしそうだとしても、過度の心配は無用だよ。もちろん、1カ月以上ゴールが出ていないことがかなりのプレッシャーになっているのは確かだけど、今はとにかく落ち着いて自分のプレーをするしかないと思っている。それより、気がかりなのはチームの状態だよ。この1カ月ぐらい、ちょっと調子が落ちているからね。悔しかったのは、サン・シーロでユーヴェに敗れたことさ。あの敗戦によって、彼らとの差がまた広がってしまった。

ユーヴェ戦について詳しく話してくれないか?

A― あれは、最初から僕らにとって“間違った試合”だった。立ち上がりから、もう少し気合を入れてゲームに臨むべきだったんだ。それができなかったことで、僕らは序盤からユーヴェに「今日はいける」という勇気を与えてしまった。あの日のユーヴェは、決してベストコンディションというわけではなかった。僕らは序盤からもっと積極的に彼らを追い詰めるべきだったんだ。ところが、逆に、彼らに多くのスペースを与えてしまい、その結果、劣勢を強いられてしまったんだよ。

あの“無効になったFK”については?

A― あれも大きかった。主審が相手のファウルを告げた時、「この角度ならゴール隅を狙える。僕の得意な位置だ」って思って、すぐにボールのところに行ったんだ。その後はもうボールとゴールだけを見て、集中を高めていた。主審が間接FKを宣告したことなんて全然知らなかったんだ。チームメートも誰一人そのことを僕に告げなかった。だから、主審がリスタートの笛を吹いた時、僕は稲妻のようにボールに突進して、そのままゴールめがけて蹴り込んでしまったのさ。

完璧なFKだったよね。間接FKだったことを除けば……。

A― そう、思いどおりのFKだった。ゴールが決まった瞬間は、本当に天にも昇るような気分だったよ……。ゴールが取り消されたと知って、まるで後ろから冷や水をかけられたようなショックを受けた。あの時は、なぜ無効なのか全く分からなくてさ。もちろん、気を取り直して、もう一度ゲームに集中しようと努力した。でも、あの幻のゴールから、すべてがうまくいかなくなってしまったんだ。ドリブルもうまくできないし、相手から多くのファウルを受けて自分を見失ってしまった。そうこうしているうちに、ユーヴェに先制されてしまって……。すべてのことが悪いほうへと流れていってしまったんだ。サムエルの同点ゴールが決まった時には、「まだ勝つチャンスはある」と思ったけど、それもつかの間のことだった。あの日の僕らは運からも見放されていたんだよ。ポストに当たったレコーバのFKとかね。もしかして、あの試合の僕らはそういう運命だったのかもしれない。

あの敗戦で、スクデットはもはや手の届かないものとなった……。

A― いや、そういうわけじゃない。最後まであきらめちゃいけないよ。もちろん、非常に厳しくなったのは否定できないけど。問題は、今シーズンのユーヴェがとにかく負けないことさ。ほとんどすべての試合で勝ち点3を手に入れている。それでも、勝負を捨てちゃいけない。彼らとの差を少しでも縮めるために、できる限りのことをするべきだと思っているよ。2位になることも重要だ。昨シーズンより順位を上げることにもなるからね。それに、特に今シーズンは2位に入ることが重要なんだ。

どうしてそう思うの?

A― ワールドカップがあるからさ。僕を含め、インテルの多くの選手がW杯に参加する。だから、僕らは2位以内でシーズンを終える必要があるんだよ。理由? もし3位になったら、W杯終了後、すぐにチャンピオンズリーグ予備戦のための練習を始めなきゃならなくなって、バカンスが短くなる。そうなると、来シーズンのために必要なエネルギー補給が十分にできなくなるんだ。これは決して小さなことじゃない。昨シーズン、僕は、実際にそういう状況を経験をしたから分かるんだ。04年夏の僕は、コパアメリカの後、すぐにインテルのキャンプに合流した。十分な休養をとれないままだと、シーズンに入ってもなかなか自分のペースをつかむことができなくなる。必ずフィジカルの問題が生じ、あらゆることがうまくいかなくなるんだ。そういう意味からも、僕らは最後までユーヴェを追走していかなくてはならないんだ。少なくとも、来シーズンのことを考えれば、最悪でも2位以内に入ることが僕らには義務付けられている。それに、サッカーの世界では何が起こるか分からないだろ? もしかしたら、カンピオナート終盤に何かが起こるかもしれない。

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