本誌記事 WebCALCiO 2002

W杯での夢とイブラヒモヴィッチへの宿題

ワールドカップ出場国がすべて決定した。意外だったのはアフリカの代表だよ。チュニジアの他に、アンゴラ、コート・ジヴォワール、トーゴ、ガーナと初出場国が4チームもある。以前に比べて、ずいぶん顔ぶれが変わった。これにはかなり驚いたな。

でも、もっと驚いたことがあるんだ。それはスイス代表が出場を決めたことさ。地図を見ると、面積は小さいし、地理的にはアルプスに囲まれているし、サッカーをしているなんて全く想像できない場所にあるんだ。それなのに、あれだけ強いんだからびっくりだよ。繰り返すけど、あの地理的状況でW杯に出場するほどの実力を身につけたことには本当に頭が下がるよ。この場を借りてスイス代表に、W杯出場おめでとう! って伝えておこう。

もし、W杯でイタリアと対戦することになったら? うーん、特に特別な感情はないな。おれはプロのサッカー選手だよ。たとえ相手がイタリアだろうが、たとえGKやDFにユーヴェのチームメート、ジジ(ブッフォン)やファビオ(カンナヴァーロ)がいようが、自分の仕事に徹するだけさ。そう言えば、EURO2004では2人に痛い目にあわせたんだ(笑)。そう考えると、W杯でやっぱりイタリアと戦うのもいいかもな。イタリア代表にはたくさんの友人がいるし、選手のほとんどは知り合いだからね。楽しくなりそうだよ。

ユーヴェのチームメート、テュラム(上)とトレゼゲ。2人はフランス代表としてW杯欧州予選に出場し、苦戦を強いられていた自国の予選突破に貢献した

もし対戦相手がフランスになったとしても、答えはさっきと一緒さ。おれは、プロとして自分の仕事に徹するだけ。それにしても、フランスはいい選手をたくさん抱えているよね。予選ではいろいろと問題を抱えていたようだけど、今のチームを見たらすごいメンバーさ。チームメートの4人(リリアン・テュラム、ジョナタン・ゼビナ、パトリック・ヴィエラ、ダヴィッド・トレゼゲ)はもちろんだけど、マケレレに、それからジダンも復帰した。ものすごくレベルの高いチームだよ。そうだな、W杯では、イタリアともフランスともやってみたいと思っているよ。刺激的な試合になるだろうからね。

個人的な目標を話すのはあまり好きじゃない。もちろん、W杯ではベストを尽くすし、いいパフォーマンスを見せられればいいなとは思っているけど、やっぱり大切なのはチームの勝利だからね。スウェーデン代表がドイツでどこまで勝ち進めるのか、それがおれにとって一番関心があることなのさ。だから、個人的な目標は“優勝すること”だね。“夢を見るのはタダ”って言うだろう?(笑) EURO2004ではギリシャが見事にそれを実現した。だから、W杯でスウェーデンがそうなってもおかしくないってことさ!

W杯まであと6カ月。この間におれがしなければならないことは、カンピオナートとチャンピオンズリーグ、コッパイタリアで、とにかく勝ち続けることさ。勝利を積み重ねることが、ドイツに向けてできる最善の準備だと考えているんだ。言い方を変えれば、勝利を積み重ねることが、W杯までにおれに与えられた宿題ということさ。おれはその宿題をきっちりこなすつもりだよ。

しかも、今のおれはユーヴェの一員だ。このチームにいることで、たくさんの勝利を掴むことができる気がしているんだ。ここには勝利に必要な要素がすべてそろっている。だから、時々「おれは幸せ者だ」って思うんだ。

ここ最近は自分でも調子が良いと思う。昨シーズンよりもゴール数は減っているけど、それについてはあまり心配していない。というのも、チームが勝ち続けているからさ。それに、ゴールが減った分だけ、アシストの数は増えている。きちんと勝利に貢献しているのさ。アシストとゴール、おれにとってはどっちも大切なんだ。

2004年6月18日が、イブラヒモヴィッチが現チームメートのブッフォン、カンナヴァーロに手痛い敗戦を喰らわせた日である。EURO2004のグループC、イタリアvsスウェーデンは、ピルロにボールをキープされ、完全にイタリアに主導権を握られていた。37分には、パヌッチに右サイドを突破され、オフサイドギリギリで抜け出したカッサーノに先制点まで許してしまう。

しかし、シェルストレームやヨンソンの途中出場で徐々に攻勢に出ると、85分、待望の同点ゴールがイブラヒモヴィッチの右足から生まれた。CKのこぼれ球をジャンプしながらアウトサイドで背後のゴールに蹴り込んだ。この試合で放ったシュート数はわずか4本、そのうち枠を捉えたのは1本しかなかった。だが、その1本のアクロバティックなシュートが、敗戦濃厚だったチームに勝ち点1をもたらしたのだ。

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