本誌記事 WebCALCiO 2002

シェヴァの力強さ+ピッポの狡猾さ……“鬼に金棒”だよ

シェヴァと一緒にプレーすることは、僕にとっては大きな喜びなんだ。彼は、僕のパスを多くのゴールに結び付けてくれる。彼とはもう3年も一緒にやっているから、お互いどんなプレーをするのか熟知しているんだ。だから、意思の疎通はバッチリだよ。もちろん、シェヴァがゴール前で待っているのに、僕が強引にシュートを打ってしまって怒らせることもあるよ。でも、彼が怒るのはその時だけ。数分後には、またお互いの信頼を取り戻し、チームの勝利のために協力し合う2人に戻るんだ。僕らは、ピッチの外でも親友だから、呼吸はピッタリだよ。シェヴァは偉大なカンピオーネだと思っている。必要とあればペナルティーエリア内に積極的に走り込んでいって、味方のパスをゴールに変える。その一方で、一人で局面を打開することもできるし、時には中盤まで下がって守備もしてくれる。万能型FWというのは、彼のような選手のことを言うんだよ。

攻撃陣で忘れちゃいけないのがピッポ(フィリッポ・インザーギ)だよ。けがをする前には、多くのゴールを決めて、ミランのティフォージを喜ばせていた。だから、今あれだけの声援を受けているんだと思う。しかも、今回のけがによる戦線離脱は、本当に長く苦しいものだったはずだよ。一時は「インザーギはもうプレーできない」と言われていたこともあったしね。そんな彼が久しぶりにチームに帰ってきたんだ。ファンが熱狂するのは当たり前だよ。しかも、彼は復帰1試合目(第8節パレルモ戦)で、いきなり決勝ゴールを挙げたんだ。強運の持ち主だと思うね。けがをする前、ピッポはシェヴァとコンビを組んでいて、2人で本当に多くのゴールを挙げていたんだ。シェヴァとコンビを組めば、もう一人の選手にもゴールが生まれやすくなる。シェヴァとはそういうタイプのFWなんだ。シェヴァは、非常に柔軟な選手さ。自分でも多くのゴールを決めるけど、パートナーの得点を生み出すこともできるんだもの。まるで背番号10の選手のように、味方に素晴らしいアシストを供給することもできるんだ。一方のピッポは狡猾なタイプ。常にオフサイドラインぎりぎりで勝負をしているFWさ。彼のゴールの多くは、ディフェンスラインから巧みに飛び出して、敵を置き去る形で決めたもの。つまり、彼は常に動きながら、相手のマークをかいくぐるタイプのFWなのさ。実は、彼と一緒にプレーしたことはまだそれほど多くないんだ。だから、これから、徐々に良い連携を作っていきたいと思っているよ。シェヴァの力強さ、ピッポの狡猾さが噛み合えば、それこそ“鬼に金棒”だよ。

アドリアーノからはまだ何の相談もないんだ。どうしてだろうね?

今年ももう少しで終わりだね。来年になるとW杯が始まる。セレソンでの親友アドリアーノが、代表戦後の合流の遅れや、チーム内でのさまざまな議論、個人的な問題をいくつか抱えていて論争に巻き込まれている。彼がそういう論争に巻き込まれてしまっていることは、すごく残念だ。それから、これは新聞で読んだだけだけど、彼が精神的に何らかの問題を抱えているのなら、それも残念なことだよね。少なくとも、僕にはまだ何の相談もないんだ。どうしてだろうね? 会う機会が少ないからかな? 今の僕らは、セレソンで一緒になる以外、会うことがほとんどないからね。それに彼はリオの出身で、僕はサンパウロだろう? 今の家も彼がコモで、僕がミラノ市内。だから、直接会うことはなかなかできないんだ。でも、電話では時々話すんだよ。近いうちに彼から僕に相談があるかもしれないね。彼のことは偉大な選手だと思っている。世界中の強豪クラブが彼に興味を示しているのは当然だよ。レアル・マドリーやチェルシーも彼に注目しているんだろう? でも、最後に会った時には、インテルとの契約を2010年まで延長できてうれしそうだったよ。あの時は、すべての面でインテルに満足している様子だったけどな。

ここのところ、セレソンの試合に参加した後の彼は、インテルへの合流が遅れているよね。それは、僕がとやかくいう問題ではないけど、アドリアーノに罰金が科されたことは一度もないみたいだ。最近の試合の後は、僕らも大変な思いをしてイタリアに帰ってこなくてはならなかったんだ。僕もジダとカフーと一緒に、サンパウロ空港で足止めをくらったのさ。結局、ミラノにはマドリッド経由で帰ってきたんだよ。でも、アドリアーノは違う方法をとったようだった。ただ、さっきも言ったけど、僕に彼の行為を批判する権利はない。その問題については、正直、あまり話したくないな。

ミランは今シーズンも、序盤で苦戦を強いられた。そのことについてカカーに聞いてみると、次のように返ってきた。

「それでも、試合を重ねるごとにだいぶ良くなってきたと思うよ。シェヴァがけがで数試合欠場したことを除けば、すべて順調に動いていると言えるだろうね。ジラやボボにもゴールが生まれた。それにピッポも復帰してすぐにゴールを決めたしね」

ミランとは対照的に、開幕から9連勝をして首位に立ったのはユヴェントスだった。だが、磐石だと思われていたユヴェントスのDFを崩して3点を奪い、連勝を止めたのはミランだった。そして、カカー自身も見事なボレーシュートを決めて勝利に貢献した。ユヴェントス戦をカカーはこのように振り返った。

「僕のゴールが大きかったね。あの2点目でチームも落ち着いてプレーできるようになったんだ。もし負けていればこのままユヴェントスが独走してしまうから、すごく大事な試合だったよ。今日は本当に理想的な展開でゲームを戦えたと思うよ。もちろん激しいフィジカルコンタクトはたくさんあったけどね」

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