本誌記事 WebCALCiO 2002

シェヴァとコンビを組むと、
難しいプレーも簡単に思えてくるんだよ

今のミランは、守備陣に若干ミスが目立つけど、攻撃陣に関しては、最高の状態にあると思うよ。ここ数試合、ジラとシェヴァの2人は好調だしね。それにボボ(ヴィエリ)だって、ゴールこそ少ないけどチームの勝利に貢献している。ボボは、本当によく練習しているんだ。いつ監督から声がかかってもいいように、常にコンディションを整えているという感じだね。チームメートともうまくやっているし、チーム内で問題を起こすようなことも全くない。とにかく、偉大なFWさ。ミランにやってきた時が、ボボのサッカー人生の中でやや難しい時期にさしかかっていたというだけなんだ。もちろん、あれだけの選手なんだから、本音を言えばスタメンで出たいだろうね。でも、ボボ自身も、シェヴァやジラのような選手がクラブにとっても監督にとっても必要不可欠な選手であることは分かっているはずだよ。あれだけ若くてうまい2トップは、そうたくさんいるわけじゃないからね。でも、ボボが僕らにとって重要な選手であることに変わりはない。あれだけ多くの貴重な経験をしてきた選手なんだ。難しい時期を乗り越える術も知り尽くしている。この先、彼はミランでもしっかりと“足跡”を刻んでいくはずだよ。

「ミランの攻撃陣の中で最もフィーリングが合うのがシェヴァ」とカカーは語る。 シェフチェンコとは03−04シーズンからコンビを組む

ミランの攻撃陣の中で、最もフィーリングが合うのはシェヴァだね。彼とはもう2年以上コンビを組んでいるから、当然と言えば当然なんだけど。彼は今のミランで最もスピードがあって運動量も多い選手。しかも、エリアから離れたところでもプレーできる。彼とポジションをクロスさせながら攻撃を仕掛けるのは本当に楽しいんだ。シェヴァとコンビを組むと、難しいプレーも簡単に思えてくるんだよ。そう言えば、ブラジル代表のロナウドとロナウジーニョも、お互いについて同じようなことを言っていたな。「2人一緒だとすべてのプレーがイージーになる」ってね。

時々、「カカーの長所は、スピードを緩めずに高度なプレーができるところ」というような誉め言葉を聞くけど、スピード溢れるプレーというのは、ある意味すごくブラジル的なプレーなんだ。ブラジル選手の多くは、テクニックだけじゃなくてハイレベルな身体能力も兼ね備えているからね。その一番いい例がロナウドさ。彼の加速力は本当にすごいからね。最初の1、2歩で相手を完全に抜き去ってしまうのさ。彼の高速ドリブルは、まるでテレビゲームのようだよ。ロナウジーニョのドリブルも速いけど、ロナウドの比じゃないな。言ってみれば、シェヴァは彼ら2人の中間に位置する選手。見た目のテクニックでは彼らに劣るかもしれないけど、シェヴァには彼らと同等のスピードと、彼らに勝るパワーがある。体調が良い時のシェヴァがボールを持った時、彼を止めるにはファウルしかないんじゃないかな。

そういえば、この前、ブラジル代表のパヘイラ監督がミランのチームメート、アンドレア(ピルロ)のことを絶賛していたよ。「彼なら今のブラジルでもレギュラーになれる」ってね。世界的に見ても、アンドレアは現代サッカーのレジスタとしては屈指の存在だよ。彼には類稀なポジショニングセンスだけでなく、危険察知能力もある。そして、あれだけボールを巧みに操れる選手は、世界中を見渡してもそう多くはないよ。彼は、今のミランにおいて本当に貴重な選手だ。僕たちのプレーにリズムを与えてくれるし、最終ラインの前から攻撃の起点になるパスを前線に送り込んでくれるからね。アンドレアなら、今のブラジルでもエメルソン、あるいはゼ・ロベルトと素晴らしいコンビを組めるよ。アンドレアは今のミランにおいて最も重要な選手の一人。だからといって、ミランは別に彼に頼りきっているわけではないんだ。それは、僕やシェフチェンコのケースでも同じ。残念だけど、僕らがいなくてもチームが勝つことはあるし、僕らがいても負けることはある。でも、これが今のミランの長所だと思うな。つまり全体の力でカンピオーネの不在をカバーできるチームだということ。ミランが偉大なチームである証拠だよ。もし1人のカンピオーネに頼り切っていたら、その選手がいない時、チームは大変なことになってしまう。それじゃ意味がない。サッカーは1人でやるスポーツではないからね。

ロナウジーニョが受賞したバロン・ロール、
いつか僕も取ってみたいな

セレソンのチームメート、ロナウジーニョがバロン・ドールを受賞したね。今度は僕だって? どうかな……? でも、ミランとブラジル代表でプレーしていることは、僕にとって大きなアドバンテージになっていると思う。ミランは注目度の高いチームだから、多くの人に自分のプレーを見てもらえるからね。一昨年、シェヴァはウクライナという強豪とは言えない代表チームでプレーしながら、あの賞を獲得した。やはり、彼がミランでプレーしていたことが大きかったんだと思う。ロナウジーニョの受賞は妥当だと思うよ。ここ数年、彼はずっと世界のトップに君臨している選手だからね。ヨーロッパナンバーワンの称号にふさわしい選手だよ。僕もセレソンの偉大な先輩であるリヴァウドやロナウド、それからロナウジーニョが獲得したあの賞をいつか取ってみたいな。

カカーが“長寿”を誇れる選手と絶賛する、カフー(右)とマルディーニ(左)。 カフーとは、ブラジル代表でもともにプレーしている

今のセレソンは、ロベルト・カルロス、カフー、エメルソンなど30代の選手が結構多いんだ。まずはこのメンバーでドイツで良い結果を出して、次の南アフリカ大会に繋げていければと思っている。南アフリカ大会が行われる2010年、僕はまだ28歳。できれば、2014年のW杯くらいまで代表でプレーしたいな。その時カフーはどうなっているかって? それは、僕にも分からないな。ただし、彼は“超人”だからね(笑)。だって、ベテランと言われる今でも、運動量は全然衰えないんだから驚異としか言いようがない。世界のサッカー界においても彼のような選手は珍しい存在だと思う。カフー並みの“長寿”を誇れる選手は、僕らのキャプテン、パオロ・マルディーニくらいかな。ただ、パオロはもう代表ではプレーしないと決めている。一方、カフーはまだ代表への情熱を失っていない。ドイツでもきっと大会の主役の一人になると思うよ。彼は、本当に偉大なプロフェッショナル。彼のサッカー人生に、特別な秘密とかミステリーは存在しない。彼はただ黙々と練習して、黙々と自分流の生活を送っているだけ。練習と日々の生活が彼のスタミナの秘訣なんだ。

ジラルディーノにアドリアーノ、カッサーノ、レデスマ、シャルケのクラニー、そしてチェルシーのエッシェン……。カカーと同じ1982年生まれの選手が、第一線で活躍している。同年代の選手について、カカーが語ってくれた。「アドリアーノとはもう長い付き合いだから、彼の成長はこの目でずっと見てきたつもりさ。彼は僕よりも一足早くヨーロッパにやってきた。その分、僕よりも経験が豊富ということさ。代表でのゲームの後、インテルへの合流が遅れたことで、プロ意識の欠如が問題になったこともあったよね? でも、ブラジルにいる時は、ピッチの外でも常にきちんとした生活を送っている。本当に好青年なんだよ」

ローマのカッサーノについては、「今彼が抱えている問題が早く解決するといいなっていつも思っているよ。そう、彼にとってもイタリアサッカーにとってもそれは大事なことなんだ。偉大なカンピオーネになるための資質をすべて持ち合わせている選手だよ。もうこれ以上、時間を無駄にするべきではないと思うんだ」と話している。

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