本誌記事 WebCALCiO 2002

チャンピオンズリーグではまだ
大きな希望を残している

リッキー、いきなりこんな質問で悪いけど、今シーズンのミランがこれほど多くの勝ち点を取りこぼしている最大の理由は何だと思う?

カカー(以下K)― 継続性のなさ、それに自信のなさが最大の原因だと思う。ホームとアウェーではあまりにも出来が違いすぎるんだよ。サン・シーロではミスを怖れない積極的なサッカーができるのに、敵地ではなぜかミスを怖れてしまう。そのせいで自分たちの思ったような攻撃が全くできなくなってしまうんだ。なぜそうなってしまうのか、僕にも不思議でたまらないよ。

最も象徴的だったのが第19節ローマ戦。君たちは最後までゴールを挙げることなく、完封負けを喫した。ミランが完封されたのは実に8カ月ぶり。でも、それよりも不安に思ったことがある。それは、あの日の君たちは敵を窮地に陥れることがほとんどなかったことだ。

シェフチェンコも不発に終わり、無得点で敗れた第19節ローマ戦。今シーズンの不振を象徴するかのような敗戦だった

K― ローマ戦では本当に無様な負け方をしてしまった。あれは今シーズン最悪の試合だと言ってもいい。もう二度とああいう負け方はしたくない。あの日のローマは守備を固めてきた。本来なら、僕らはその“消極さ”を利用できたはずなのに、それができなかった。後半に入ると、やる気を失ったような選手までいたよ。きっと苦戦のせいで気力が失われてしまったんだろうね。それでペースを上げるどころか、どんどん泥沼に入り込んでしまったんだ。そして、最後には0−1の負けさ。

あの敗北により、ミランは目標を修正しなければならなくなった。目標はチャンピオンズリーグだけになったと考えてもいいのかな?

K― 実は、あの試合の前からそういう気配があったんだ。でも、あの敗戦で完全にそうなってしまった感じだね。少なくともチャンピオンズリーグではまだ大きな希望を残している。僕らは昨シーズンの準優勝チーム。だから、当然、周囲からの期待も大きい。昨シーズンの決勝で味わった屈辱と今シーズンのカンピオナートでの悔しさをバネに、チャンピオンズリーグではいい結果を残したいね。バイエルン戦で最高のミランを見せられればと思っているよ。

バイエルン戦はどんな試合になると思う?

K― 間違いなくすごいゲームになるだろうな。でも、決勝トーナメント1回戦ともなると楽な試合なんて一つもなくなるからね。昨シーズンの決勝トーナメント1回戦にしても、ミランはマンチェスター・ユナイテッドと、ユーヴェはレアル・マドリー、そしてインテルはディフェンディングチャンピオンのポルトと対戦したよね。グループリーグでは多少の気の緩みなら許されるけど、決勝トーナメントは違う。毎試合が強豪チームとの“真剣勝負”なんだよ。

ミランはいきなりバイエルンと対戦することになったけど、ライバルのユーヴェはブレーメン、インテルはアヤックスと、少なくとも君たちより“いいくじ”を引き当てたね。

K― ユーヴェもインテルも絶対的有利と言われているよね。でも、勝負はやってみないと分からないよ。さっきも言ったけど、ここまで来たら楽な試合は一つもない。ビジャレアルvsレンジャーズだって激しい試合になるはずさ。だから、ユーヴェ、インテルが絶対に勝つなんてことはないんだ。番狂わせは常に起こり得る。2年前のことを思い出してみてよ。ミランとユーヴェが明らかに格下のデポルティーボに立て続けに敗れたことがあっただろう? 少しでも気を抜くと思わぬチームに足下をすくわれるものなんだ。もっとも、今回の僕らは気を抜きようがない。何しろ、バイエルンが相手なんだからね。

03−04シーズンのチャンピオンズリーグ準々決勝でデポルティーボに喫した歴史的な逆転負けが教訓となっている

きっとバイエルンの選手たちも同じ気持ちなんじゃないかな。今の彼らは君たちに勝つことだけを考えて、練習に取り組んでいるはずだ。チャンピオンズカップ時代を含め、ミランはまだ一度もバイエルンに負けたことがないことを知っていたかい?

決勝トーナメント1回戦でバイエルンとの対戦が決定した時、ガッリアーニ副会長は過去の対戦データを持ち出してチームを鼓舞

K― そうなんだってね。組み合わせ抽選会の後、ガッリアーニ副会長から教えてもらったよ。「過去のデータを信用して頑張ってくれ。そして記録を更新してほしい」って励まされたんだ。確かに、今のバイエルンはブンデスリーガで首位を独走している。一方の僕らはカンピオナートではあまり調子が出ていない。でも、このことはあまり関係ないと思うんだ。ホーム&アウェーのカップ戦はカンピオナートとはまた別物だからね。

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